「あ、もうそろそろ帰ろっか」
大嶋くんの声でハッとする。
気付けば、外はもう真っ暗だった。
いつもより、少し遅い時間帯。
いつもと同じように帰ろうとして、ドアに手を伸ばした。
だけど、そこでまた一気に不安がつのる。
――――…もし、これで最後だったら。
そんなこと、考えたくないのに…。
考えちゃダメなのに…。
「…美紗?」
急にドアの前で動きを停止したあたしに、まどかが声をかけた。
その声であたしは、我に返る。
「ご、ごめん!
なんか、ボーッとしちゃった!!」
「美紗…」
あたしは、そんな不安を隠すように作り笑いを浮かべる。
だけど、まどかの瞳は全てを見透かしたようで。



