蒼空~キミの名前を呼ぶ~





「うわ、びっくりしたっ」



あたしと同じように目を見開いた蒼空。

きっと、今ここにいる全員が目を見開いているだろう。




「ぷっ…あははっ!!
ま、前もこんなんなかった!?」




あたしの後ろで、まどかがお腹を抱えて大爆笑している。


それを合図にしたかのように、あたしたちも笑い出す。




急に笑い出したあたしたちを見て、蒼空は訳がわからない、というような顔をしていた。







病室に入ると蒼空が、不機嫌そうな顔をして


「わけわかんねぇ」


と言ったから、
あたしたちは、顔を見合せもう一度笑い出した。





それからは、いつものように、あっという間に時間が過ぎていった。


行きの暗い雰囲気は、何だったのだろうと思うほど、いつもと変わらない時間だった。