蒼空~キミの名前を呼ぶ~





病院に向かう間も、いつもみたいに騒いだりとかは、全然なくて。




でも、やっぱり…


一番、不安なのは蒼空なんだよね。






だから、



「みんな、いつも通りでいようね!」




あたしたちが、落ち込んでる場合じゃないよね。




そんなあたしを見たみんなは、少し目を見開いてから、『そうだね』と言って、ニッコリと笑った。







そして、307号室の前でスゥーっと息を吸う。




笑顔、笑顔…っ!!

いつも通りでいなきゃ。





あたしは、ゆっくりとドアに手を伸ばした。





すると、勢いよくドアが開いた。



――――ガラッ





あたしは、目を見開く。


だって、あたしはまだドアを開けてない。






ドアを開けたのは…