蒼空~キミの名前を呼ぶ~





「ねぇ、どこに向かってるの?」



「……」




さっきから、何度聞いても答えてくれない。




質問…変えようかな…。




「ねぇ、蒼空…

さっきの女の子たちは…どうしたの?」



「さっきの女の子たち…?」



「うん。 蒼空の取り巻きの…」




あの派手目な女子たち。
蒼空はその子たちに着いていったはずでしょ?

どうして戻ってきてくれたの…?





「あぁ、アイツらか…」



面倒くさそうな声…。




「ウザかったから、『ウザい』って言って放ってきた。」



うわ…
王子さま潰れたな…。





「アイツらムカついたんだよ

オレらの問題なのに知ったような口聞いて…

しかも、オレ一言も『美紗がキライ』なんて言ってねぇのに、勝手に変なこと言い出すしさ…

相手してらんねぇよ」





また胸がドキンと高鳴った。




『美紗がキライなんて言ってねぇのに』


蒼空のなんともない言葉に、あたしは胸がドキドキする。





「不意討ち…ズルいなぁ…」



「え? なんか言った?」



「ううん、何にも!!」







ズルい…

蒼空はすっごくズルい。



あたしがこんなにドキドキしてること、知ってるの?



冷たかったり、優しかったり…

調子狂っちゃうよ。






ねぇ、期待しちゃうから…やめてよ。