「高野くん、ちょっとお話があって…
来てくれないかなぁ~?」
蒼空の机を囲んだのは、この静かな町から浮くような、少し派手な女子たち。
4月からずっと、蒼空のことを追いかけている。
すると蒼空は、あたしには見せたことのないような王子さまスマイルを取り巻きの女子たちに向けた。
「いいよ?」
「きゃー、ホント!?」
喜ぶと同時に、リーダー格の女の子があたしに視線を移して、ニヤッと笑う。
そして、
「あっ! 沢渡さん、ごめんねぇ?」
と、イヤミったらしく言い残して、教室から蒼空を連れて出ていった。
ポツン…と教室にひとり残されたあたし。
今は、まどかも斗真も委員会でいない。
きっとあの女子たち、まどかや斗真がいないところを狙ってた。
特にまどかは…キレるからな…。
どうして…あたしの話は聞いてくれないのに、あの子たちの話は聞くの…?
ねぇ、蒼空…。
そんなにあたしのことが、キライなら…
最後でいいの。
最後にもう一度だけ――…。
あたしは、溢れそうになった涙を抑えて走り出した。



