「ちょっ……」 そう口を開いたら、入って来た舌。 「ん……んん」 それはあたしの口内をかき回す。 クチュッて唾液の音が耳につく。 「んっ、はっ……ん」 息苦しくて、声が漏れる。 な、なんで!? やっと思えたことはコレで。 それ以上のことを考える余裕なんてない。 やっと離れた唇に 「はぁ、はぁ」 と短い息を繰り返した。 そんな、あたしなんてお構いなしに椎名冬夜は 「落ち着いたか?」 って、落ち着くか!