「ちょ、仁奈!!」 お昼休み、教室に入ってきた京香が凄い形相で、あたしのところまでやってくる。 「ど、どしたの?」 「どしたのじゃないよっ! 噂の事は知ってるの?」 「……噂って?」 首を傾げたあたしを見て『やっぱり』と呟いた後、 「ちょっと、こっち来て」 と教室を出た。 トイレまで連れてこられ、誰も居ないのを確認すると京香は携帯を取り出した。