「え、それは……えっと」 そうだよね。 普通に考えれば、そうなるよね。 で、も…… 「な? 無理だろ? だから、お前は早く帰れ」 そうなんだけど。 その通りなんだけど。 「お前がココに居て、俺まで見付かったら洒落になんねーよ」 そうだよね。 わかってる、わかってるけど……。 ゆっくりと立ち上がり、椎名冬夜に背を向けた。 一歩を踏み出そうとした瞬間、やっぱり後ろが気になって。 振り返るとそこには苦しそうに息をする椎名冬夜が居て。 それは嘘じゃないって、わかるから。