ほねまであいして。

近頃、祥子を襲い始めた不安はアレルギー性鼻炎や花粉症、腰の痛みだけではなかった。
 
幸せだと思えば思うほど、隼人の指に感じれば感じるほど、本当に愛されているのかを疑うようになった。
 
あの電車での出来事の後、二人は互いの約束をすっぽかしてそのまま夜を共にした。
 
最初は、始めから隼人は自分に好意を抱いていて近づいてきたのだろうと優越感を持っていた。
 
それから当たり前のように、祥子と隼人は連絡を取り合い、抱き合い、ついには週の半分は一緒に朝を迎えるようになっていた。
 
職場の同僚は、とてつもない玉の輿とは言えないけれど、隼人は見た目も中身も職業も申し分ないと羨ましがった。
 
 
理由なき不安は、隼人が愛の言葉を語らないせいなのか?
 
頭の中で問い掛けてみたが答は出ない。
 


鼻にティッシュをあてたまま祥子は大きなくしゃみをして、そのくだらない問題を振り払った。
 
 
ゆっくり立ち上がるとダイニングにむかった。
 二人用のダイニングテーブルの上には、スクランブルエッグとハムがラップに覆われた皿に乗っていた。