彼女は笑顔で俺の首に両腕を掛ける。


「どうしてってそれをあたしに聞くの?自分が一番分かってるんじゃないの?」


そう言って、だらりと落ちている俺の手を掴み自分の胸へと置いた。


「セックスしてるときは騙されてあげる。好きも、愛してるも、全部受け止めてあげる。ほら、もっと言って、もっと触って」



彼女は壊れてしまった。

壊してしまった。

俺が、彼女を。


「……どうして、泣くの?」


もう君の耳には、

ホントの気持ちは届かない。