時刻は7時を回った。


冬にもなると、7時にはすでに辺りは真っ暗闇。

駅前の大きな広場の端っこが私の指定席である

私は背負っていたケースを地面に置いて、中からアコースティックギターを取り出した。


チューニングは大丈夫、さっきまで弾いてたし


試しに鳴らす…うん、OK

私は立ち上がり、大きく息を吐き出して…また大きく息を吸う


目の前を急ぎながら早々と去っていく人を気にせず、私は声を張り上げる。