「ワンワン…」
『櫂はんが"ワンワン"!!? この姿態で"ワンワン"!!! 櫂はんの言葉がワンワン語になったのか、ワンワンはんを呼んでるのか。
微妙やけれど…一応…ワンワンはん、ほれワンワンはん!! 櫂はんの上でぐったりせんで起きてや!!! 起きて……ウチに盛ってどないするんや!!! ワンワンはんの主はん、ワンワン言いはるんや!!! ようやく主従揃ってワンワン…』
どうして…
あんなに沢山の犬が死んでいたのか。
しかも…顔から血を出して。
顔というより…耳か?
墓場…。
犬の墓場…?
「ワンワン…」
墓場に大勢の犬の死体。
首輪の鎖に括りつけられた大根。
ひっかかる。
情景を…よく思い出せ。
多くの犬の鎖の先には、同じ大根があり。
死んだ犬の先には――
骨付きの肉があった。
知った顔で出現したイチル。
手にした大根。
芹霞が見たがった、願いを叶える魔法…。
俺と芹霞は…
そこから何処に連れて行かれた?
そこで――
何が起きた?
何処に…連れて行かれたはずだ。
俺と芹霞は、其処で――。

