その中には、宴会で盛り上がっている小猿やチビリス、金ピカゴボウもいる。


無声音だけれど、異様な盛り上がり。

そう…、テーブルの上にいるあいつらを、忍者が手を叩いて取り囲んで――。


「……はぁっ」


嘆かわしい。


…あいつら、なにどじょうすくいを踊ってるんだよ。

お前達飲んでたの、オレンジジュースだったじゃねえかよ!?


あの小さな手ぬぐいと小さなザル、誰が用意したんだよ。

酔っ払って床を手で叩きながら、ゲラゲラ笑い転げている牛女か?

いいのか、あいつ…乱れた着物姿で床に胡座かいて。

まあ…誰も気にしちゃいねえみたいだけどよ。

見たくもねえけどよ。


「………」



サルとリスとゴボウ、練習していたかのようにぴったり同じ動き。

さらにあの真剣かつ…どや顔。


動物と、基本は猿の式神の生態は謎だらけだ。


身内の恥を見ているようで顔から火が出てきそうだけど、こんなものも、外部から誰からも見られる状態なのであるとすれば、非常に居心地悪い。


俺達も、見られていたということだろう?


これなら――

ここの住人ですら、監視下にあるみたいじゃねえか。


一体、誰が見たいなど思うんだ?


なんて思いながら、こけしと櫂の後をついて歩いていた時、こけしが口を開いたんだ。



「この機械を構築したのは、久涅でも異人でもない」



そして指さしたのは――



「――あの男だ」



正面にあるどでかい画面に、大きな背もたれ椅子にて背を向けて座る奴。


俺は櫂の横に立ち、ごくんと生唾を飲んだ。


誰だ?

覚えある、この気は……。




男がこちらを向く。







「がははははははは!!!」





ああ、この笑い声は。




「「クマ!!!?」」



俺と櫂は同時に声を上げた。



例え、真実の姿を今の今まで、見忘れていても、

こんな豪快な笑いをするのは奴しかいない。


「はあああああ!!?」



これは、毛を剃ってすっきり美男子バージョンの…三沢玲央だ。



「お前、勝手にとんずらして…

ここで何してるよ!!?」



――多分。