「言ったろう。妾達は…待っていたのだ。そなた達のような者が現われるのを。だから…いつでも、こうした宴会を開く準備は出来ていたのだ。毎日のように…待っておったのだ…」


こけしの声が震えた。


「おばあちゃん!! 宴会の前だというのに、何めそめそするのさ!! これからこいつらと楽しんで、親睦を深めるんだよ!!?」


そう息巻いて叫ぶ牛も、きっちりとした着物に着替えて、髪を結い直したようで。

そうやって見れば、ただの乳のでかい…女だ。


そして忍者達も、忍び装束みたいな服の形はそのままだが、色が今までの黒色から明るい…色取り取りのものへと変っていて。

こいつらの弾んだ心が、外面に現われていた。


こいつらの期待する未来はこれからの"課題"で、今はただ口約束にしかすぎないというのに。

あんなに敵意を向けられていたのに、その実…待たれていたのか俺達は。

迎合出来ないと諦めていたら、今頃どうだったのだろうか。


ああ、心っていうもんは、見掛けでは判らない複雑なもんで、深く掘り下げて対話してみないと判らねえもんなんだな。



「ウジガミ様ッッ!!!」

わらわらと寄ってくる大勢の忍者達。


「さあ一杯!!」

「あのさ俺、未成年…」

「ウジガミ様ガオ好きな『鬼殺し』でス」

「どっから手に入れたその情報。それを好きなのは俺じゃなく」

「ウジガミ様」

「ウジガミ様」


………。



ああ、本当にもう――


「てめえら、見てろよ!!」


俺は鬼殺しをラッパ飲みだ。



「「「ほぉ~」」」