シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



途端――

それを真上から直撃した不可解な怪物は、殺意を増幅させ…同時に高い濃度の瘴気を拡散させた。

非伝導性なのか、雷系統が効かない体らしい。


「わわわわわ!!!」

「うぬぬぬぬぬ!!」


得意げに発動させた…奥義なるものに効果がなかった、2体の動揺は激しく、そして…その代価は大きかった。


致命的ではないにしても、微かなりとも与えた刺激に…"それ"は憤怒の変化を見せ始めたんだ。

俺が危惧した通りに。


茶色く汚れた皮膚の色が、蚕の時のような…半透明の乳白色に変化する。

色が薄くなるにつれて、体の中に、脈打つように蠢く何かが見えてくる。


「し、紫堂櫂…あれ顔!!!?」


脈動に合わせ、まるで体から飛び出るかのように垣間見せるモノは。


人面創…とでもいうべきなのか。

それとも、過去に食らった人間の残滓なのか。


その顔のようなものは、

激怒に顔を歪ませているようにも見えた。


「瘴気が……ッッ!!!!」


瘴気を凝縮して生まれ出でたモノが、取り込んだ瘴気を…更に濃度を高めて拡散させていく。


闇のざわめき。

闇の蠢き。


俺の本能が、警告を発した。


危険だ。


"あれ"が…増殖する!!!


危機感に俺は焦慮する。


「レイ、護法童子、戻って来い!!!」


更に悪いことに――


「力使い過ぎて…う、うごけない…」

「うぬぬぬぬぬ。我も同じ。まさかここまで我の身体が脆いとは…」


慌てて俺と煌が回収に動く…より僅かに早く、


「レイ!!!?」

「小小々猿!!!?」


"それ"の口のような先端から、急速度にて伸びた…触手らしきものが、レイと護法童子を1つに巻き上げてしまったんだ。


"それ"は突如上体を持ち上げた。

そして裂けるようにして、"口"が出現する。


そして垣間見えるは――

隠されていた牙。


びっしりと。



「何で僕の電気が効かないんだよ!!! 動けないッッッ!!!」

「雷も効かぬ!! 我も身動きが…!!!」


腕ごと何重にも触手に巻かれ、縛されて動けなくなった小さな体は、まさに未知なる生物のその口に、その牙に…近づけられていく。


このままでは、食われてしまう!!