途端――
それを真上から直撃した不可解な怪物は、殺意を増幅させ…同時に高い濃度の瘴気を拡散させた。
非伝導性なのか、雷系統が効かない体らしい。
「わわわわわ!!!」
「うぬぬぬぬぬ!!」
得意げに発動させた…奥義なるものに効果がなかった、2体の動揺は激しく、そして…その代価は大きかった。
致命的ではないにしても、微かなりとも与えた刺激に…"それ"は憤怒の変化を見せ始めたんだ。
俺が危惧した通りに。
茶色く汚れた皮膚の色が、蚕の時のような…半透明の乳白色に変化する。
色が薄くなるにつれて、体の中に、脈打つように蠢く何かが見えてくる。
「し、紫堂櫂…あれ顔!!!?」
脈動に合わせ、まるで体から飛び出るかのように垣間見せるモノは。
人面創…とでもいうべきなのか。
それとも、過去に食らった人間の残滓なのか。
その顔のようなものは、
激怒に顔を歪ませているようにも見えた。
「瘴気が……ッッ!!!!」
瘴気を凝縮して生まれ出でたモノが、取り込んだ瘴気を…更に濃度を高めて拡散させていく。
闇のざわめき。
闇の蠢き。
俺の本能が、警告を発した。
危険だ。
"あれ"が…増殖する!!!
危機感に俺は焦慮する。
「レイ、護法童子、戻って来い!!!」
更に悪いことに――
「力使い過ぎて…う、うごけない…」
「うぬぬぬぬぬ。我も同じ。まさかここまで我の身体が脆いとは…」
慌てて俺と煌が回収に動く…より僅かに早く、
「レイ!!!?」
「小小々猿!!!?」
"それ"の口のような先端から、急速度にて伸びた…触手らしきものが、レイと護法童子を1つに巻き上げてしまったんだ。
"それ"は突如上体を持ち上げた。
そして裂けるようにして、"口"が出現する。
そして垣間見えるは――
隠されていた牙。
びっしりと。
「何で僕の電気が効かないんだよ!!! 動けないッッッ!!!」
「雷も効かぬ!! 我も身動きが…!!!」
腕ごと何重にも触手に巻かれ、縛されて動けなくなった小さな体は、まさに未知なる生物のその口に、その牙に…近づけられていく。
このままでは、食われてしまう!!

