「櫂殿」
ずしっ。
突然、俺の肩にずしりとした重みを感じたと思えば。
「我々従者にとって、主は絶対的。翠殿を守る我もワンコ殿に助太刀致す故、此処は手出し無用でいては下さらぬか」
護法童子の声がしたと思えば、煌の頭上からも声がする。
「まだゲージ全回復してないんだろ、ゴボウ!! 全回復しないと胡桃だせないんだから、通常攻撃にしろよ。あまりに待たせたら利息取るからね。櫂、僕も協力するよ。可愛い従弟を守りたいしね」
「おお、レイ殿。かたじけない。この小さな身形では中々に術が使えず迷惑をかけてすまぬ。回復した暁には真っ先に胡桃を。それと…レイ殿は櫂殿の従兄であるということは、櫂殿も偉大なるリス王国の皇族であったか。秘めたるその力の謎、ようやく我は納得致した。成程成程、ワンコ殿もリス王国出身とは…。そのリス王国と協定を結ぶとは、さすが翠殿…」
………。
「ごちゃごちゃごちゃごちゃ…うるせえんだよ!!! 協力する気があるなら、さっさと来いよ、ゴボウ、リス!!!」
「「合点承知の助!!!」」
護法童子は煌の頭の上に飛び移った。
………。
「なあ翠。お前…時代劇とか好きか?」
「何で判るの!!?」
………。
聞いたことはないけれど、玲も時代劇が好きなんだろうか。
バリバリバリ…。
鈍色の上空からは青い…雷と電気。
2体とも奥義の強さまではないけれど、広範囲に渡る鮮やかな稲光は、俺達に襲いかかる瘴気…闇が、それだけ広域に渡っていることを感じさせた。
レイも護法童子も、きちんと考えて術を使っているらしい。
中々頼もしい。
雷と電気と炎の、見事なコラボ。
俺の中の好戦的な血が目覚めてくる。
「な、何…皆…。何なの?」
翠がカタカタ歯を鳴らせて、俺の服の裾を掴んだ。
「護法童子は、お前の式だ。お前の力だぞ?」
「え? え? ゴボウちゃん…え!!?」
レイに引き摺られ、"ゴボウちゃん"で定着したらしい呼称。
「護法童子はお前を慕い、力も強いようだ。いいものを召喚できたな。これからも可愛がり、共に成長していけ」
「……うん。ゴボウちゃん…へへへ」
煌とレイと護法童子の力により、場は圧勝にて終着を迎える…はずだった。
事態が微妙に…変わり始めたんだ。

