シンデレラに玻璃の星冠をⅢ




いつもそうだ。

何かを思い出しかければ、頭が痛くなる。


駄目だ。

逃げてちゃ駄目なんだ。


強くなりたいと思うのなら、

前に進まないといけないんだ!!



――芹霞ッッ!!!



ずきっ。



あたしの名前を呼ぶのは…誰?



――芹霞、お前は…幸せになれ。



あの…震える声は誰?

切なくて…愛しくて…。



――俺の………。



あれは――…。



ずきっ。



――…永遠……。



あの声は……。



ずきっ。



痛い。


頭が痛い。

心が痛い。

足が痛い。


脈打つ痛みが1つになって膨れあがり、内部から壊れてしまいそうな苦痛に狂いそうだ。



その時――だったんだ。



握りしめた携帯から、通話を知らせる呼び出し音が聞こえ、慌てて見た画面はメール受信のものではなく、通話画面となっていた。


そして――

呼び出し音が、不自然なタイミングで途絶えた。


カチャッ。


電話が繋がった!!!



「もしもし玲くん!!!?」


聞こえて来ない…応答。


「玲くんってば!!!」


玲くんの声は聞こえてこない。


繋がったと思ったのは、勘違いだったの!!?

それとも無視されてるの!!?


判らない。

判らないけれど――


「玲くん…痛いよ!!!!!」


あたしの頭の中には、優し優しい玲くんの存在が大きくて。

あたしが唾棄したい常々思う、依存する"甘え"が大きくなる。


黄色い蝶がどうだとか、そんなことより…あたしはまず、全身の痛みを何とかしたくてたまらなかった。


もしあたしの声が届いているのなら。

ちゃんと聞いているのなら。


玲くんに癒して貰いたかった。


不快で不快で堪らない…痛みの影に埋もれた記憶があるというのなら、あたしは…それを思い出して、早く楽になりたいと思ったんだ。


玲くんは…何かを知っている。

いつもいつも哀しい顔であたしを抱きしめるから。


あたしは…何から逃れたいのかもう判らなくなっていた。


黄色い蝶は…あたしの痛みを引き出す記憶のようなものとなっていたんだ。


精神が混乱している。

錯乱かけているんだろうか。