いつもそうだ。
何かを思い出しかければ、頭が痛くなる。
駄目だ。
逃げてちゃ駄目なんだ。
強くなりたいと思うのなら、
前に進まないといけないんだ!!
――芹霞ッッ!!!
ずきっ。
あたしの名前を呼ぶのは…誰?
――芹霞、お前は…幸せになれ。
あの…震える声は誰?
切なくて…愛しくて…。
――俺の………。
あれは――…。
ずきっ。
――…永遠……。
あの声は……。
ずきっ。
痛い。
頭が痛い。
心が痛い。
足が痛い。
脈打つ痛みが1つになって膨れあがり、内部から壊れてしまいそうな苦痛に狂いそうだ。
その時――だったんだ。
握りしめた携帯から、通話を知らせる呼び出し音が聞こえ、慌てて見た画面はメール受信のものではなく、通話画面となっていた。
そして――
呼び出し音が、不自然なタイミングで途絶えた。
カチャッ。
電話が繋がった!!!
「もしもし玲くん!!!?」
聞こえて来ない…応答。
「玲くんってば!!!」
玲くんの声は聞こえてこない。
繋がったと思ったのは、勘違いだったの!!?
それとも無視されてるの!!?
判らない。
判らないけれど――
「玲くん…痛いよ!!!!!」
あたしの頭の中には、優し優しい玲くんの存在が大きくて。
あたしが唾棄したい常々思う、依存する"甘え"が大きくなる。
黄色い蝶がどうだとか、そんなことより…あたしはまず、全身の痛みを何とかしたくてたまらなかった。
もしあたしの声が届いているのなら。
ちゃんと聞いているのなら。
玲くんに癒して貰いたかった。
不快で不快で堪らない…痛みの影に埋もれた記憶があるというのなら、あたしは…それを思い出して、早く楽になりたいと思ったんだ。
玲くんは…何かを知っている。
いつもいつも哀しい顔であたしを抱きしめるから。
あたしは…何から逃れたいのかもう判らなくなっていた。
黄色い蝶は…あたしの痛みを引き出す記憶のようなものとなっていたんだ。
精神が混乱している。
錯乱かけているんだろうか。

