シンデレラに玻璃の星冠をⅢ


俺達は…"ぽかん"だ。

俺でも櫂でも出来なかった結界を、金ピカ小小々猿は、易々とやってのけた。


有益すぎる式神を召喚したのが初めてだったんだろう、主人たる小猿すらも目と口を開いて呆然としている中、金ピカ小小々猿が目の前からふっと消えた。


――と思ったら。


ずしっ…。


俺の頭の上に…突如違和感。


嫌な予感がした。


「わわわ!!! 何だよ、侵入者!!! 此処は僕の巣だぞ!!!?」

「此処は我の拠点にする。汝こそ、速攻立ち去れ」


………。


「……凄いかも。俺、凄いこと出来たかも!! この状態で護法童子の召喚!!! いつもぼんやり煙のようにしか見えなかったのに、ちゃんと身体持って…しかも役に立ってくれた!! 俺の命令を聞いて、皆を守ってくれた。嬉しい~。この喜びを、葉山、君にッッッ!!! 君に伝えたい~ッッ!!!」


1人喜んで飛び上がっている奴がいるけれど。


「お前は礼儀というものを知らないのか。人様の"巣"に入ったら、まずはその金ピカ"帽子"を脱いで挨拶するのが常識だろ!!?」

「これは帽子ではあらぬ。我の身体の一部というべき鎧。汝とは違い、我は戦陣の中で生を受けたもの。これは我の誉れ。その誉れを脱げと言うのなら、それ相応の覚悟をせよ」

「むぅぅぅ。僕は先輩なんだぞ、何だよその物言いは!!! 早く出て行けよ!!!」

「リスにとやかく言われる筋合いはない。汝こそ出て行け」


俺の頭の上…どうなってるよ。

おかしなモノが2体、陣地を争っているけれど。


大体そこは…



「俺の――頭だろうが!!!」



そう怒鳴った俺は、突如感じた"そのこと"に身体を震わせた。


嘘だろ…。



「結界が…もう壊れただと!!!? 数十秒しかもってねえじゃないか!!! おい、小猿。また結界を作らせろ!!」


「ワンコ…。出したはいいけど…リスと喧嘩に夢中になって、言うこと聞いてくれないんだ…。それに多分、主の俺に似て…力はあっても、持続性ないかも…」

「はああああ!!!?」


そんなオチつきかよ!!?


しかし…"金翅鳥(ガルーダ)"を召喚できても、制御もしまうことも出来ねえ俺は、小猿を責めることは出来ねえ。

あれは…熟練度が必要だと思うから。

それをハジメテの場面で求めるのは、酷なことだろう。


じゃあ…どう凌ぐ?