――――――――――――――――――――――――――――……
「……玲様、何をなさって?」
自分を立て直して帰ってきた桜が、ベッドに1人座る僕を見るなり不審げな声を出す。
「……ん?」
語尾を上げた僕。
「桜が出かけていた間…何かありましたか?」
「……ん~…」
語尾を下げた僕。
そして右手拳で、左手にある枕を…ぼすぼす叩き続ける。
「玲様…?」
「ん……?」
ぼすぼす、
「何か…あったんですか?」
「ん……」
ぼすぼす。
何だか――
「櫂と…煌の気持ちが判った気がする」
「え?」
「近くに居るのに手が出せない気持ち。僕さ…それは芹霞がどうのというよりも、あいつらが特定の女を作ったことがない、経験不足からくる不器用さが祟っていると思ってたんだ」
「はあ……」
「唯一の…経験者がさ…」
ぼすぼす、
「初心者に――
先制…くらっちゃった」
ぼすぼす、ぼすぼす。
「聞こえてくるだろ、風呂に行った芹霞の歌声…」
「はい。あれは……?」
「宝塚の"すみれの花咲く頃"。
"清く正しく美しく"だってさ…」
ぼすぼす、ぼすぼす。
「僕と芹霞は、普通の…熱烈相思相愛恋人関係じゃないのも判ってるし、そういうのを僕が期待しちゃいけないのも判っているけどさ…」
ぼすぼす…、
「罰、なのかな…これは…」
ぼすぼす、ぼすぼす。
「僕…人よりそういう欲求がない、淡泊すぎる…草食系だと思っていたんだけれどさ…」
ぼすぼす、ぼすぼす。
「相手が芹霞に限っては、そうでもないみたいなんだよね…」
ちらりと桜を見ると、桜は大きく頷いた。
「あ、はい。それは見ていればもう…」
そうだったらしい。
「桜……」
ぼすぼす…、
「何だろう…」
この遣り切れなさ」
ぼすぼす、ぼすぼす。
「……玲様、何をなさって?」
自分を立て直して帰ってきた桜が、ベッドに1人座る僕を見るなり不審げな声を出す。
「……ん?」
語尾を上げた僕。
「桜が出かけていた間…何かありましたか?」
「……ん~…」
語尾を下げた僕。
そして右手拳で、左手にある枕を…ぼすぼす叩き続ける。
「玲様…?」
「ん……?」
ぼすぼす、
「何か…あったんですか?」
「ん……」
ぼすぼす。
何だか――
「櫂と…煌の気持ちが判った気がする」
「え?」
「近くに居るのに手が出せない気持ち。僕さ…それは芹霞がどうのというよりも、あいつらが特定の女を作ったことがない、経験不足からくる不器用さが祟っていると思ってたんだ」
「はあ……」
「唯一の…経験者がさ…」
ぼすぼす、
「初心者に――
先制…くらっちゃった」
ぼすぼす、ぼすぼす。
「聞こえてくるだろ、風呂に行った芹霞の歌声…」
「はい。あれは……?」
「宝塚の"すみれの花咲く頃"。
"清く正しく美しく"だってさ…」
ぼすぼす、ぼすぼす。
「僕と芹霞は、普通の…熱烈相思相愛恋人関係じゃないのも判ってるし、そういうのを僕が期待しちゃいけないのも判っているけどさ…」
ぼすぼす…、
「罰、なのかな…これは…」
ぼすぼす、ぼすぼす。
「僕…人よりそういう欲求がない、淡泊すぎる…草食系だと思っていたんだけれどさ…」
ぼすぼす、ぼすぼす。
「相手が芹霞に限っては、そうでもないみたいなんだよね…」
ちらりと桜を見ると、桜は大きく頷いた。
「あ、はい。それは見ていればもう…」
そうだったらしい。
「桜……」
ぼすぼす…、
「何だろう…」
この遣り切れなさ」
ぼすぼす、ぼすぼす。

