シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



「ぼ…僕、したくないというより…」

「子供作るようなことはしないって…裏切らないって…言ったの嘘!!!?」


途端泣きそうな顔になる芹霞。

慌てた僕は、何をどう言っていいのか判らなくなってしまって。


「え、あ…芹霞、それは…嘘じゃなく…ああ、そんな目をうるうるしないで。ええと…それは時と場合に…ああ、違う。あ、だから…子供が出来ない安全な方法なら……ああ、何を言っているんだ、僕は!!! 何でだろう、氷皇の笑い声が聞こえてくるんだけれど…」


おろおろとした僕を見兼ねて、芹霞が追撃してくる。


「玲くんは煌みたいに"したい"人だったの?」

「僕とあのワンコを一緒にしないでくれよ。あいつは…」


「そうだよね、玲くんはあんな発情犬じゃないものね」


………。

少しだけ…ぼそりと反論してみた。

"男"として。


「…僕だって健全な"オス"だし…。好きな子がいれば…」

「え、玲くんも発情するの!!!?」

「え…あ…いや…その…。だから好きな子には…」

「玲くん…何ではっきりしないの? 玲くん、発情するの、しないの!!? そういうことしたいの、したくないの!!?」


芹霞は追撃の手を休めない。


「な…何でそんなこと…。僕どう答えたらいいんだよ…。"好きな子"はスルーするし。したいと言えば、嘘ついたと誤解するし…したくないと言えば、それが僕と芹霞の問題にすり替るし」


どこでこうなった?


おかしい。

絶対おかしい。


ラブラブな空気よ…何処に!!?



「玲くん、もしかして玲くんの所構わずのお色気は、発情が関係しているの!!? は!!!? そしたら、煌以上にいつもいつも発情しているってこと!!?」

「違うよ…。お願いだから、その好奇心で目キラキラ…やめて? 他人事のように聞かれると、凹むから…やめて?」

「玲くん、実はそっち系が凄い人!!? 久遠以上の人!!!?」

「そっち系って、どっち系だよ…。もうやだよ、この話題…。本当に僕、異性として意識されてるのか…自信なくなって来ちゃったじゃないか…」


逃げたい。

逃げさせて?


芹霞は――


「玲くん、ねえ…玲くん!!!」


僕の服を掴んで、部屋を逃げる僕を追いかけ回す。


僕の愛しい"彼女サン"は、恋愛初心者で初"お付き合い"にして…僕を翻弄させる天才だった。