「ぼ…僕、したくないというより…」
「子供作るようなことはしないって…裏切らないって…言ったの嘘!!!?」
途端泣きそうな顔になる芹霞。
慌てた僕は、何をどう言っていいのか判らなくなってしまって。
「え、あ…芹霞、それは…嘘じゃなく…ああ、そんな目をうるうるしないで。ええと…それは時と場合に…ああ、違う。あ、だから…子供が出来ない安全な方法なら……ああ、何を言っているんだ、僕は!!! 何でだろう、氷皇の笑い声が聞こえてくるんだけれど…」
おろおろとした僕を見兼ねて、芹霞が追撃してくる。
「玲くんは煌みたいに"したい"人だったの?」
「僕とあのワンコを一緒にしないでくれよ。あいつは…」
「そうだよね、玲くんはあんな発情犬じゃないものね」
………。
少しだけ…ぼそりと反論してみた。
"男"として。
「…僕だって健全な"オス"だし…。好きな子がいれば…」
「え、玲くんも発情するの!!!?」
「え…あ…いや…その…。だから好きな子には…」
「玲くん…何ではっきりしないの? 玲くん、発情するの、しないの!!? そういうことしたいの、したくないの!!?」
芹霞は追撃の手を休めない。
「な…何でそんなこと…。僕どう答えたらいいんだよ…。"好きな子"はスルーするし。したいと言えば、嘘ついたと誤解するし…したくないと言えば、それが僕と芹霞の問題にすり替るし」
どこでこうなった?
おかしい。
絶対おかしい。
ラブラブな空気よ…何処に!!?
「玲くん、もしかして玲くんの所構わずのお色気は、発情が関係しているの!!? は!!!? そしたら、煌以上にいつもいつも発情しているってこと!!?」
「違うよ…。お願いだから、その好奇心で目キラキラ…やめて? 他人事のように聞かれると、凹むから…やめて?」
「玲くん、実はそっち系が凄い人!!? 久遠以上の人!!!?」
「そっち系って、どっち系だよ…。もうやだよ、この話題…。本当に僕、異性として意識されてるのか…自信なくなって来ちゃったじゃないか…」
逃げたい。
逃げさせて?
芹霞は――
「玲くん、ねえ…玲くん!!!」
僕の服を掴んで、部屋を逃げる僕を追いかけ回す。
僕の愛しい"彼女サン"は、恋愛初心者で初"お付き合い"にして…僕を翻弄させる天才だった。

