シンデレラに玻璃の星冠をⅢ




「クルクル、クルクルだッッ!!!」


レイは大喜びで、ぴょんぴょん飛び跳ねて。


情報屋が持ったままのそれに飛び乗り、ようやくリスらしく…四つん這いになって全速力で走り出す。


クルクルクルクルクル。


猛速度で回り出す。


「面白い、面白い~!!!」


玲の声が響き渡る。


クルクルクルクルクル。


目を瞑れば――

玲が心から喜んでいるようで。


心がほっこりとしてきた。



ようやく…

愛玩動物というものに、癒される心地を味わった。


「………。アホハット…。銃を渡すくらい危ない処に、このクルクルどうやって持って行くんだよ」


何だろう。

煌の顔が引き攣って、なぜか…一歩足を後退していて。


「そや、ワンワンはん。"正解"や。この今取り出したオプションを、クルクルの下につければ……」


!!!!!!


「帽子のように――

クルクルを"被る"ことができるんやで!!!」



「いらんわ、返品だ、返品!!!!」



煌が怒鳴る。


「クルクル帽子なんて、そんなの俺…被りたくねえ!!!! どうしてお前は趣味悪いんだよ。チビ!!!頭上に飛んで来て、待機するな。感動してぴょんぴょん跳ねるな!!! 被らねえ…絶対俺はそんなもの被らねえから!!!!」


俺は思った。

"ピコン帽子"の方が、まだマシかもしれないと。


「こら、チビ!!! 俺の髪毟ってクルクル帽子をせがむんじゃねえ。絶対、やだからな。絶対、絶対~ッッッッ!!!!」


煌の絶叫が木霊した。



そして俺達が、落ち着かせた心を覚悟に変えた頃、


「では、用意はいいか?」


クマと情報屋が俺達に聞いてくる。



「裏世界は…力が全ての世界。

力だけが"生きられる"術」


そうクマが言えば。



「力ある者から情報を得たければ、それ以上の力を提示せよ。

力があれば…他人も従えられる」


五皇の顔で、情報屋が補足する。


「闘いを躊躇(ためら)うな。

情けや迷いを捨てろ」