シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



「クルクル、クルクルの銃がいい!!!」

「レイはんの手に支えられるのは、回転式拳銃(リボルバー)は無理なんや。しかしそれは性能がいいよってな? レイはん特別製や」


レイのことを考えてますとばかりに、情報屋はいうけれど。


その狙撃銃。

暗視スコープらしきものまでついている。

だけどどことなく…作りは"ちゃち"で、本物とは言い難い稚拙さを漂わせる。


それに――

何で下に…銀の留め具がある?


「「「キーホルダー…?」」」


俺達が苦々しげに言葉を漏らせば、情報屋は、しーっと唇に人差し指を立て、取り繕うに笑ってレイに言う。


「こ、このごっつええ銃、レイはんだけなんや」


「ふうん…。僕だけか。強い僕だけに渡される銃なら…仕方が無いね。この銀色のわっかに肩を入れて背負うんだね? まあまあかな」


銃を背負う姿は可愛らしい。


「なあ、いかに高精度の特殊部隊用狙撃銃のH&K PSG1でもよ、あんなちっこい銃から出る銃弾なんてビーズだよな? BB弾も大きくて出ねえよな」

「……。そういえば…あれ、『世界のスナイパーシリーズ』っていう、コンビニでお菓子付き300円で売ってたのに似て「翠はん、しーーーッッ!!!」


「こうやって…敵が来たら…チャッと構えて、此処を引けば良いんだね。簡単だね、銃なんか。僕はチャチャチャって出来るよ。

だけど僕…やっぱり皆とお揃いのクルクル銃がよかったな…。何だか、ハブになっているようで…。仲間…じゃないみたい…」


少しばかり力なく項垂れてしまったレイ。

その寂しそうな姿は、哀愁漂い…同情してしまった。


それは俺だけではなかったらしく、俺達は3人、じとっとした目を情報屋に向ける。


「ひ、ひーちゃんだって、レイはんが喜ぶものもちゃんと用意してま!!!」

「え!!!? 僕が悦ぶもの!!? 何!!!?」


情報屋は、後方から…"それ"を持って来た。


「「「………」」」


何処から取出したのか。

もうそれを考えるのは無意味。


ここは情報屋の領域。

夢のような世界。


夢は…情報屋の独壇場だ。


「どうや、レイはん!!! あの銃…あれはあれで特殊仕様なんやが…クルクル銃でない代わりに、このクルクルで我慢しよってな?」


俺も、煌も、翠も…黙って"それ"を見つめている。


情報屋が両手に抱えた"それ"。


「クルクル!!!!」


リスやハムスターが、よく檻の中でくるくる走って回る…水車のような玩具。