「クルクル、クルクルの銃がいい!!!」
「レイはんの手に支えられるのは、回転式拳銃(リボルバー)は無理なんや。しかしそれは性能がいいよってな? レイはん特別製や」
レイのことを考えてますとばかりに、情報屋はいうけれど。
その狙撃銃。
暗視スコープらしきものまでついている。
だけどどことなく…作りは"ちゃち"で、本物とは言い難い稚拙さを漂わせる。
それに――
何で下に…銀の留め具がある?
「「「キーホルダー…?」」」
俺達が苦々しげに言葉を漏らせば、情報屋は、しーっと唇に人差し指を立て、取り繕うに笑ってレイに言う。
「こ、このごっつええ銃、レイはんだけなんや」
「ふうん…。僕だけか。強い僕だけに渡される銃なら…仕方が無いね。この銀色のわっかに肩を入れて背負うんだね? まあまあかな」
銃を背負う姿は可愛らしい。
「なあ、いかに高精度の特殊部隊用狙撃銃のH&K PSG1でもよ、あんなちっこい銃から出る銃弾なんてビーズだよな? BB弾も大きくて出ねえよな」
「……。そういえば…あれ、『世界のスナイパーシリーズ』っていう、コンビニでお菓子付き300円で売ってたのに似て「翠はん、しーーーッッ!!!」
「こうやって…敵が来たら…チャッと構えて、此処を引けば良いんだね。簡単だね、銃なんか。僕はチャチャチャって出来るよ。
だけど僕…やっぱり皆とお揃いのクルクル銃がよかったな…。何だか、ハブになっているようで…。仲間…じゃないみたい…」
少しばかり力なく項垂れてしまったレイ。
その寂しそうな姿は、哀愁漂い…同情してしまった。
それは俺だけではなかったらしく、俺達は3人、じとっとした目を情報屋に向ける。
「ひ、ひーちゃんだって、レイはんが喜ぶものもちゃんと用意してま!!!」
「え!!!? 僕が悦ぶもの!!? 何!!!?」
情報屋は、後方から…"それ"を持って来た。
「「「………」」」
何処から取出したのか。
もうそれを考えるのは無意味。
ここは情報屋の領域。
夢のような世界。
夢は…情報屋の独壇場だ。
「どうや、レイはん!!! あの銃…あれはあれで特殊仕様なんやが…クルクル銃でない代わりに、このクルクルで我慢しよってな?」
俺も、煌も、翠も…黙って"それ"を見つめている。
情報屋が両手に抱えた"それ"。
「クルクル!!!!」
リスやハムスターが、よく檻の中でくるくる走って回る…水車のような玩具。

