シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



居る場所は違えど…やはりこのレイは、玲の心を僅かにでも持ち合わせているような気がしてたまらない。


だから――


「そうだな。何処までも一緒に行くか」


そう微笑むと。



「うん!!!!」


レイが、小さな顔に満面の笑みを浮かべて、立派な尻尾を大きく振った。


「仕方ねえな。ほら、頭に乗れよ」

「うんッッ!!!」


身長差をものともせず、脅威の跳躍力を見せて、レイはいつも通りに煌の頭に飛び乗った。


「……実は、正解のお祝いに、ひーちゃんとクマからプレゼントを用意しているさかい、受け取ってくれや?」


そして情報屋の手から、1人1つずつ渡されたのは――


「「「拳銃!!!?」」」


3丁の…銀の回転式拳銃(リボルバー)。

片手用とはいえ、ずっしりと手にくる。

贋物(モデルガン)…ではなさそうだ。


「これ…ロシアンルーレットの奴? 真ん中のクルクル回せる処に、弾が入っている奴?」


翠が震えながら、両手で銃を持った。


「そうや。これは特殊仕様やさかい、弾倉は8発の処、実弾3発や。それを多いと捉えるか、少ないと捉えるかは…皆はん次第や」


護身用としては心許ない、中途半端な銃弾数。

例え"特殊仕様"だとはいえ、この先銃弾3発で切り抜けられる場所だとは考え難い。

むしろ気休めで渡された心地すらしてくる。


「まあ…運が良ければ使わないで進めるかもしれない。そう気負うな」

クマが豪快に笑った。


他人事のように言えるのは、この男…多分情報屋を含めてこの2人の男には、銃の使用は必要なく出入りしているということだろう。

それはこの2人の存在の特殊さ故か、それとも2人が取る術が特殊なのか。


「これを渡されるということは…大量を捌く紫堂の力が制限されるということか?」

「場合によっては。だからこその特殊仕様や」


紫堂の…力の代わりになるのか、この3発が?

どこまでも胡乱気に、手の中の銃身を眺めていた俺の横では、煌が翠に銃の撃ち方を指導している。