シンデレラに玻璃の星冠をⅢ




そして俺は素早く深呼吸をすると、クマと情報屋に振り返る。


「1つ…俺の矜持の為に聞きたい。"大方"とは…どの部分の推理が足りなかった?」


するとクマは笑った。


「お前さんが…口にしてない部分」


………。

俺が…判らなかった部分のことか?


「まあ…いいだろう。裏世界の所在。そして夢世界での、"心"のゲーム。そして情報屋の前職。その最低ラインだけでも判ったのなら、とりあえずは…あの人も納得するだろう」


「あの人…?」


「ああ。これより俺は、お前さん達をその人に連れて行く。何分裏世界は物騒だ。心の最下層に、触れさせまいとする…人間の防御本能の本体が攻めてくる。言わば…戦争状態だ。戦火を潜り抜ける覚悟は出来ているか?」


俺は煌と翠を顔を見合わせ、そして…



「勿論だよッッ!!!!」


俺達より早く答えたのは、レイで。


黙れ…。

黙っていてくれ。


そう思ったのは、俺だけではないだろう。

しかしレイに反応したのは煌で。


「あ!!!? おい、チビ!!! お前も裏世界に行く気なのか!!!?」


煌が驚いて、また頭上から目の前に指で摘み上げた。


「当然だろ? そんな物騒な処なら、僕がいないと大変じゃないか。何だよその目は。僕は力持ちで頭がいいってこと…証明しただろ!!? そして僕は、最後の問題だってちゃんとやり抜けたじゃないか!!」


それは…あの帽子を被ってボタンを押したことだろう。


「おい。お前がやったのはピコン帽子を「僕が護ってやるよ」


小さな手で、胸をバンと叩いたレイ。


しかし俺達は、何とも微妙な顔つきで顔を見合わせて。

正直…俺達ですら無事でいられる保障がないのなら、小リスくらい…安全な此の場に残していきたかった。

遊びではないのだから。


だけど――


「僕を……置いて行くなよ」


その声は、何処までも俺の従兄の声音で。


「いつも僕達…一緒だったろ? なあ…櫂」


俺は…そのくりくりとした瞳の中に、鳶色を見た気がしたんだ。