そして――代替わり。
何処の時点で五皇が入れ替わっているのか、時期が明確ではない。
黄皇がいつ死んだのかは判らないが、俺が次期当主の時には、現五皇として初めて登場した氷皇も紅皇も存在していたから、黄皇が死んだのはそれより前だろう。
少なくとも8年前以前ということになる。
黄皇はいつ五皇を縛ったのか。
普通に考えて、縛りだした時点で、存在している五皇がその影響下におかれるから、それより以前の五皇の背中には、印はついていない。
前五皇は、黄皇、黒皇、赤皇、緑皇、白皇。
現五皇は、氷皇、黒皇、紅皇、緑皇…それに死んだ白皇。
必然的に、現五皇として新たに追加となった緋狭さんと氷皇は、印を受けたのは2代目となる。
白皇は…俺が背中を見る余裕がないまま死んでしまったが、年齢的にも、後継を早々に久遠としていたことにしても、代替わり出来ずに…ずっと白皇職についていたように思える。
そう考えれば、印があれば…初代の縛りを受けた者。
もしも久遠がやる気を出して白皇職を引き継いでいたのなら、久遠もまた、黄皇の縛りを受けていたのだろうか。
やる気がなかった為に、魔方陣及びレグの縛りを受けているあいつの現況。
どちらに転んでも…"縛り"は免れなかったのかもしれない。
久涅はどうだ?
いつから黒皇になった?
あいつが次期当主だった時は、五皇だったのだろうか?
それとも、剥奪されて裏世界に逃げ込んだ時、五皇になったのだろうか。
縛りを受けた黒皇は、あいつが初めなんだろうか。
そしてこの年齢不詳の緑皇。
俺より年上なのは判るが…彼にも縛りを受けた前代が居たのだろうか。
それとも彼が初代なのだろうか。
"代替わり"によって、五皇職は延々と続く。
印も続いていく。
そう考えて、ひっかかるのが氷皇。
氷皇は…誰の後継だったのか。
消去法で行けば黄皇。
黄皇の代替わりなのだとすれば。
そして氷皇が黄の印を持っているのだとすれば。
黄皇は自分の後継にまで、何故印で縛ったのか。
自虐的にならない為に、氷皇という名前にさせたとか?
そして――。
――それまで混沌としていた五皇の世界に、明確な…色という秩序を与えたのは、黄色。黄色はそれぞれの色に特性を与えた。
――白には"叡智"、黒には"無効"、赤には"慈悲"、緑には"変化"、青には"孤高"。
黄皇が五皇の特性を定めたというのなら、前代のはずの彼は、どうして早々に後代のはずの氷皇にまで"孤高"を与えたのだろう。
後継に、自律ではなく孤高を。

