シンデレラに玻璃の星冠をⅢ

――――――――――――――――――――――――――――……

「玲くん…元気出して?」


芹霞が僕の背中を摩る。

そこまでの人数が、僕の告白現場を目撃していたとは知らなかった僕は、あまりの羞恥に溶けそうだ。


芹霞並みに真っ赤だろう。


自分の言葉に偽りはないけれど、本当は芹霞1人に言いたかったものだから。

芹霞が受入れてくれてくれたからよかったものの、当初の予想通りに見事玉砕していたら、僕は何組の嘲笑の眼差しに耐えることになっていたんだろう。


「ありがとう…"彼女サン"」


そう目線だけを上げて芹霞に言えば、その単語を聞くや否や芹霞の顔がまた赤くなる。

呼称すら慣れていない愛すべき少女の、この初々しさが堪らない。

過去にそう呼ぶ相手が居ないことは、僕にとっては嬉しい限りで顔がにやけてくてしまう。

まあ…僕という存在より、呼称の方に照れているような気がするのは、何とも複雑だけれど。


だけど仕方が無いよ。


「僕が…ハジメテの相手だからね」


ハジメテの"彼氏"の肩書きは、僕が貰ったから。


「○△※×!!!!!????」


………。


あ…芹霞が熔解人間になっちゃった。

変なことを想像したな、これは。


………。

まあいいや、否定する理由もないし。



「桜ちゃん…遅いね」


芹霞が強制的に話題を変えた。

目が泳いでいて、思わず声を忍んで笑ってしまう。


「まさか…倒れたままとか…?」

「いや…居る気配はないから、ちゃんと連絡してくれているんだと思うよ?」


「誰に?」

「ん……僕が心を許してる女性に」


ちょっと意地悪く言ってみた。

妬いてくれたりしないかなって…正直僕は、調子に乗りすぎていたんだ。

浮かれすぎていたんだ。


しかし芹霞はそれに対しては無反応で、代わりにこう口にしたんだ。


「玲くんは…いつ結婚しちゃうの?」

「え?」


空気が変わったのを感じた。