そう考えれば殊更…
緑皇の領域に、他の五皇が何年も存在出来た事実が不可解で。
五皇の領域は、他の五皇の色を排除する。
だからこその、絶対領域。
無効化したと考えても…何年もの居座りを、緑皇は許すだろうか。
そこまで友好的か?
それも違う気がして。
だとすれば?
考えろ。
だとすれば――
どういうことだ?
「どうや? 櫂はん?」
俺は、情報屋を見据えながら、1つの仮定に思い至る。
"裏世界"は特別な場所にあるのではなく、そこに至るまでの道が特殊なのではないだろうか、と。
玲すら情報が掴めなかった裏世界。
桜は触りまでしか掴めない世界。
情報がでないのは、裏世界そのものだけではなく…そこに至る道も同様で。
至る道すら情報が出ないのは、
五皇の力が及んでいるせいであったとしたら?
裏世界に至る複数ある道の1つが、五皇の支配下にあるのだとしたら?
情報屋の口振りでは、裏世界と…そこに行き着くまでのこの世界を、別物のように扱っている節があった。
この世界でのゲームを制しなければ、裏世界には入れないと…だからゲームをする意義があるのだと。
表舞台から裏世界に至るまで。
裏世界という深層部。
この2つは無関係ではないだろうが、存在意義は違う。
だからこそ、裏世界に行き着いてからは…案内役が交代する。
…思ったんだ。
緑皇の領域は裏世界ではなく…
裏世界に至るまでの領域ではないかと。
緋狭さんは、情報屋を裏世界までの案内役とした。
つまり。
裏世界は…
緑皇の支配が離れる場所であるということではないか?
裏世界。
入っている人間は居るんだ。
だけど――
五皇の影響下にないのに、情報が出ない。
裏世界に入ることが出来る人間は選別されるといえど、昔の俺のような…惰弱な久涅も入ることが出来たというのなら。
"資格"さえあれば、それが光であれ闇であれ…表舞台の威光は関係ない。
肉体があるかどうかも関係ないだろう。
現に俺達は…意識だけでこの世界に居る。
つまり…"資格"と"道"が判れば、
どんな状態であれ――…
裏世界は誰にでも拓かれている。
そしてその道筋の1つが、緑皇の力。
夢という…無意識領域が、
裏世界に通じているというのなら。
それなら――…?

