シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



要は…それを信じるか信じないかということ。


あたしは、皆が無事だと信じられる?


目にしたあの絶望的な状況を却下し、耳にした言葉の方が真実だと信じられる?


出来ないのなら――

心が壊れて、絶望の闇に堕ちるだけだ。


DEAD OR ALIVE。


あたしは――


………。


あたしは一瞬呼吸を止めて、


「うん。信じるよ」


玲くんに応えるように、そう力強く頷いた。


「玲くんの言葉は、あたし信じる」


すると玲くんは、一瞬だけ…凄く辛そうな顔をして微笑んだ。


「5日後、"約束の地(カナン)"に…久遠に会いに行こうね」


あたしがそう笑うと、玲くんはあたしの身体をそっと抱き寄せ、首筋に頭を埋めこむようすると、呟いた。


「そうだね…。久遠と…約束したものね」


触れ合えば…判る。

玲くんの身体が微かに震えていることに。


見ている分には落ち着き払っているけれど…実際の処、不安なのは玲くんも同じなんだろう。

そして後悔も同じだ。


"どうして自分達は安全な場所に居る?"

"どうして彼らが此処までの危険に遭わねばならなかった?"


不安な心を宥(なだ)めるのは、信頼する人達との絆。


信頼する玲くんが大丈夫だと言うから。

あたしの心は…闇に堕ちずに済む。

希望を見出す。


玲くんはそれが判っていたからこそ、あたしに信じさせようとしたんだと思う。


玲くんもまた…同じ心境だったんだろう。