「第一関門突破ッッ!!! ふんぬ~~ッッッ!!!」
そして突起部分に行き着き、片足で思い切り踏み切ってジャンプをすると、また力を組み合わせて上昇始めた翠。
「翠、あと半分だッッッ!!!」
思わず俺は叫んだ。
興奮してくる。
目の当たりにする、目を瞠(みは)る程の成長。
興奮せずにいられるものか。
イロオニよりも、格段に力がアップしている。
瞬間移動は今では2m程の距離ずつ、1秒に20回は行っている。
その規格外のありえなさが、面白くて仕方が無い。
内に秘めていた"可能性"の大きさに驚嘆せずにいられない。
ダイヤの原石。
何処までも…翠は進化する。
初めて翠の力を見た時、正直…意味のない力だと思った。
力を使うより、普通に飛んだり移動したり持ち上げた方が早い。
イロオニで力が強まったとはいえ、此の場ではどうしようもないと…即効選択肢から却下していた。
だけど翠には、意味ある選択だったんだ。
勝手に意味がないようにしていたのは、俺の方だ。
みるみる内に、上に行き着く。
「やばい、やばいッッ!!! もう少しなのに、ブロックが…ブロックが!!!
頼む…待て待て待てッッッ!!!」
何も出来ずに見ているのがもどかしい。
もう少し、もう少しだ!!!
ああ、ブロックに触れた分…落下時間が早まっている!!!
「止まれッッッ!!!!!」
翠が最上段に上った時、落下ブロックが丁度…。
「止まれ~ッッッッ!!!!」
ブロックが積んであるブロックに触れる寸前…
「止まるんだ~ッッッッ!!!!」
3度目の掛け声と共に…
「………え?」
止まったんだ。
400kgのブロックが…翠の力によって。
そして翠は、今まで持ち上げることすら出来なかった400kgのブロックを持ち上げると、
「てえええええいッッッ!!!」
真ん中の横ブロック2つ分の隙間に、叩き付ける様にして垂直落下させた。
それは半分の位置…突起部分で止まるように思われたが、
「行けったら行けッッッッ!!!!」
翠の力によるものか、それとも執念か。
はたまた翠が踏み台にした時に、負荷がかかりすぎて脆くなっていたのか…突起を崩して、突起ごと最下段に落下したんだ。

