「よし、チビ!!! 問題掴んで、急いでテトリスに戻る!! 問題…お前の山2枚じゃねえ、櫂のを混ぜろ、櫂のを!!!」
「僕は頭がいいって証明されたじゃないか!!! だから僕の2枚!!!」
「頭良くても知識がねえの、お前は!! 自分で認めただろうが!!! 俺達はGAMEOVERにさせれねえんだよ!!! つべこべ言うな!!! お前の1枚、櫂の1枚!!!」
やたら自分に自信がありすぎる、ふて腐れリスを摘んで再び扉の前。
やはり見える肉球。
それでも姿を現さないニャンコ。
本当にお前、何処にいるんだ?
『全問正解、ちくしょう』
最後に肉球マーク。
"ちくしょう"は"畜生"のシャレ?
お前狙ってたのかよ?
聞きたくても…開く扉の先に、居ねえんだよな、全く。
何処に張付いているんだろ。
締めた扉の反対側にも張付いていねえし。
本当に不思議な猫だ。
「しかし全問正解とは…お前の解答あってたのか!!」
「だから言っただろ、僕は頭が良いんだって!!」
ぴょこん、ぴょこん。
俺の頭の上で飛び跳ねて怒るリス。
まあ…こんなこともあるだろう。
小猿か俺の解答だったかも知れねえし、今となっては真相は闇の中。
此処を抜けるのは、8秒かかるとニノは言った。
「なら、俺は…5秒で抜けてやる。ニノ、タイムを測れ」
『判りました、イヌ』
久々の…障害ない全力疾走。
俺は両手指を地面につけて身を屈めると、顔だけ上げてゴールを見据える。
「用意…START!!!」
――駄犬、筋肉が動いてない!!
――お前には忍耐がないんだ。死ぬ気で走れ。
走る。
走る。
俺の身体は、伊達に緋狭姉に鍛えられてねえ。
人が出来ることを人並に出来たから何だって言うよ?
人が出来ねえことを出来て初めて、鍛錬の効果が出てるってもんだろう。
出来る。
俺はまだまだ出来るんだ。
「うわ、うわわわわ。飛ぶ、飛ばされる~」
「しがみついてろ!!!」
風を切って俺は走る。
「ゴールだ。ニノ、タイム!!!」
『お答えします、イヌ。タイム4秒32』
「ん~半分切れなかったか…」
ぽりぽり頭を掻きながら、やや不満足な結果だけれど。
「馬鹿犬、音楽が早くなってる!!」
玲リスが声を上げた。

