シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



「ん~可愛い、リスだね。あ、尻尾まで描いてくれたんだ~。上手いねレイクンは。何でもそつなくこなす。不器用なのは、恋愛だけだね。あはははは~」


く……。


「あ、それは朱貴クンも一緒か。あはははは~」


また朱貴から舌打ちの音。

いいな、僕も舌打ちしたいよ、このほっぺが腫れてなければ。


「へえ…朱貴は恋愛が不器用なのか。朱貴が恋する相手は大変だな…」

「おい、七瀬…。朱貴の空気が…」

「そうそう、大変なのよ、紫茉ちゃ~ん。何せね、献身的に尽くしても全然気づいてくれないんだよ。本当に身体張ってるの「氷皇ッッ!!」


氷皇は…朱貴の何処まで知っているのか。

恐らくは…煌と桜が見たという儀式における朱貴の行動を言っているのだろう。

見ていないはずなのに…どうして氷皇はそんな情報が得られるのか。

あの…情報屋からか?


「身体張るって…朱貴、恋しているのかお前…」


ああ、何だか…ボケボケ紫茉ちゃんが芹霞に見えてきた。


「あはははは~」


氷皇はバカウケだ。


「しかし…お前、本当に周涅にそっくりだな」


紫茉ちゃんが、実にしみじみといった口調で話題を変えた。


朱貴の相手を…気にもしていないらしい。

それに対して更に氷皇は大笑い。


逆に朱貴は…凄絶な殺気を飛ばしている。

……紫茉ちゃんに。


「じゃ俺と兄妹ごっこする? だったらさ、紫茉ちゃんツインテールにして、大きなダボダボパジャマ着て、枕を両手で抱きかかえて…"おにいたん、いっしょにねよ?"って舌っ足らずで言ってよ。こう上目遣いで…「氷皇!!!」


「………。兄妹はそういうことをするのか?」


「そうそう。そうしたらお兄さんは可愛い妹にメロメロになって、妹の言うことは何でも聞いて「黙れ、氷皇!!!」


朱貴の怒声に、氷皇は大笑い。

あの朱貴すら…完全に氷皇の玩具だ。


「……ふむ。言うことを聞いてくれるのか…。良いことを聞いたな」


紫茉ちゃん…君も玩具になっていること、気づこうよ…。


「師匠…七瀬が危ない道に入ろうとしてるよ?」

「ホントだね。後で止めようね。本当にしそうだから、彼女」

ある意味、芹霞より強者だ。