「いたぞ、あそこだ。
イケイケイケッッ!!!」
こんな時に、"イケイケ"煩えよ、遠坂!!!
ブレーキが壊れかけた男の気持ち、判ってみろっつーんだ!!!
喉がからから渇いてきて、潤いたくて仕方がねえ。
「ニャアアアアン…」
俺の首…舐めてくるなよ、ネコ耳芹霞!!!
潤いたい場所はもっと奥だ!!!
状況理解しろよ!!
後で…後でたっぷりさせてやるから!!
欲と理性の狭間で、俺は逃げる。
バンバンバンバンッッ!!!
「くっそ…行き止まり!!!」
バンバンバンバンッッ!!!
「よし、仕留めてやるぞ。
全員、イケッッ!!!」
このままじゃ…ネコ耳芹霞が巻き添え食らう。
幻でも本物でも、それだけは嫌だ。
俺は芹霞を傷つけたくねえ。
その時、目に入ったのは…大きな段ボール箱。
異質な雰囲気はあったけれど。
「芹霞…ここに隠れてろ」
「ニャアアアン、ニャアアアン」
芹霞が嫌がっていやいやと首を振る。
「ちょっとだけの間だから!!」
俺は強制的に芹霞を箱に入れた。
「ニャアアアン、ニャアアアン!!!」
悲痛な声を上げた芹霞。
そして。
「……!!!?」
そのまま――
段ボールの中で、消えて行ったんだ。
「芹霞、芹霞!!!?」
「よし、皆帰るぞ!!!」
遠坂達は…突然俺に背を向けて帰り出す。
何だ?
一体何なんだ!!?
よく見れば、段ボール箱の側面に紙が貼ってある。
『発情ネコ捨て場』
偶然とはいえ――
この段ボールに入れたのが正解だった…とか?
遠坂達は、さながら俺の理性のようなものか。
きっと俺が発情芹霞に惑う限り、遠坂達は俺を攻撃してきて。
俺が発情芹霞を切り捨てれば、遠坂達は引くような気がする。
それは直感。
だけど。
「芹霞が発情してたのなら…遠坂から逃げるんじゃなくて、俺もどっかの茂みで発情すればよかった。くっそ~勿体ねえ!!!」
嘆いた俺は、空に吼えた。

