シンデレラに玻璃の星冠をⅢ

――――――――――――――――――――――――――――……


神崎家が薄らぎ始める。

それと同時に、上から降りてくる円卓。


その横に居たのは――


「あはははは~。ROUND2はどうだった~?」


封筒を手にした青い氷皇。

………。


心を攻撃され涙で堪え忍び、そして感動で締めくくった空気を、簡単にぶち壊す性悪な青。


………。


緋狭さん探索にかこつけて、神崎家の2階に上がったのは…まさかこうして降り立つための準備?

どうせ何処かからか笑いながら見ていたんだろう。


俺はキッと睨みつけて、氷皇から封筒を奪い取ると、円卓の上の青いボタンを手の平で叩き付ける。


バンバンバン!!!


あまりに腹立たしくて、3回も叩いてやった。


「あはははは~。男の日って辛いよね~」


精神を落ち着けろ。

聞こえてくる声を、そのまま耳の外に聞き流せ。


「ねえねえ、最後に…俺と戦うんじゃとか思ってなかった?」


その氷皇の2つの瞳が…藍色から、オッドアイに変わりゆく。

ああ、強さを誇った氷皇も所詮は人形か。


本物ほどの力もなかったのは事実。


「ROUND1が急かされるように終わり、俺がいなくなって…大ボスみたいに出現するとか不安になってなかった?」


「ないな」

「ねえな」


「え~!!!? 何でだよ。今、ようやくアカ説得して、ROUND3を…」


「必要ない。行くぞ、煌」

「おう。俺も必要ねえ」


「えええ!!? 戦おうよ、ねえ!!!」


「ROUND1と2しかない世界に3を取り入れたのはお前事情。こちらは告知もなく、了承もしていない。封筒を手にとらせて尚決行するというのなら…それは完全定義(ルール)違反。せめてその前に…悪夢の中に、現われるべきだったな」

「だけどそうしたら、舞台が…"夢"になるじゃないか」

「そう。お前の存在は両刃の剣。使い方を間違えればボロが出る。そんなのは…必然の氷皇ではない。もう俺達を惑わせなくていい。此処を抜ける為に、本人の前で記憶の煌すら切った俺は、虚構の氷皇など怖くはない」


本人と…比較できてこその幻なれば。


「動じなくなったか…。順応早いよね。はい、じゃ…此処で最後の俺の仕事。CLEARのご褒美上げる」


手にしているのは青い袋。

何だ?


もぞもぞ…動いている。

貰ってもまるで嬉しくない気がする。