「「………」」
ふさふさ…。
白いふさふさ…。
「「………」」
先に…ひくりと顔を動かしたのはクオンで。
そして――
「来たーーッッ!!
クオン、協力を求めるッッ!!!!」
「フギーッッッ!!!」
噴き出る血潮。
あたしは首のクオンをくるりと回し、その体に鼻を当てて…ふさふさで鼻血を受け止めてもらった。
強制的に。
「フギーッッッ!!!」
すまん。
非常事態なんだ!!!
動物愛護団体に訴えないでくれ!!
急場を凌がせてくれ!!!
クオンはあたしの頬を引っ掻いて、真っ赤な体で部屋から飛び出した。
「あ、あそこにティッシュがあった…」
灯台下暗し。
クオン、すまぬ。
「何だい、どうしたんだい、クオンッッ!!! 何で血だらけ!!? 神崎や師匠に何かあったのか!!? ああ、そこでぶるぶるするな、ぺたぺたするな!! 走り回るな、七瀬の部屋が部屋が!!! ああ…七瀬の顔に足跡が!!!」
すまぬ、紫茉ちゃん。
ドタバタ…。
ガラガラガシャン。
「痛い痛いッッ!!! 何興奮してるんだ、クオン!!! 暴れるな、ひっかくな!! おい、コラッッ!!! 顔は女の子の命だぞ!!? ボクを傷物にしたら、君は責任とるのかいッッ!!!? ……。何故…そこで嫌そうな顔をしておとなしくなるんだ、このニャンコ!!! あ、百合絵さん」
「ふむ。この猫に怪我はないようですね。どうもこの血は…返り血のようで。しかし敵の気配はまるでないですし…妙ですね。玲坊ちゃまの様子を見て参りましょうか…」
どすどす…。

