「何だよ…今度は…」
びくついたような煌の声が聞こえる。
バタバタバタ…。
「煌!!! 何度言ったら判るの!!!!
その根性…叩き直してやる!!!」
また芹霞が走ってきたようだ。
「おわ、またお前か!!!
あ…は!!!?」
バシバシバシバシ…。
何の音…だ?
煌の…何かを叩いているのか?
「芹霞、もういいって、嫌な記憶が…ああ…くそっ!!!うわ…おい…あ…」
バシバシバシバシ…。
煌の声が聞こえなくなって。
「煌…大丈夫か?」
心配になって俺が声をかければ。
「緋狭姉――
ごめんなさいッッッ!!!!」
何で…緋狭さん?
『駄犬ー。マイナス10点』
何だか嬉しそうな声だった。
「ううっ…。何か俺まで…玲リスみたいな、ぷっくぷくに…」
「誰がぷっくぷくだって!!!?」
「うお!!? お前いたのか!!?」
「いちゃ悪いのかよ!!!!」
ダンダンダンッッ
「今闘ってねえだろ、落ち着け、また股間狙うな!!!
今狙われたら…掠っただけでも俺の…どうするよ!!!」
「そんなもの無くしてしまえ!!!
何休憩気分なんだよ!!! 僕達は敵だぞ!!!?
僕なんて敵だとも思えない程弱々しく可愛らしいって!!!?
ふざけるな!!!」
「玲…ちょ…待っ…!!!」
ダンダンダンッッ
『駄犬…。またカウントだぞ。
大マケで…ペナルティレベル2のままにしておいてやる』
「アカ~ッッ!!! もう勝手に~」
『黙れアオ。私は気分がいいんだ』
「ワンワン…処処ヘタレMだからなあ…。違うか、アカがドSなのか」
『アオ、ドSはお前だろ』
「いやいや、アカ程じゃないよ、あははははは~」
そんなやり取りの横では。
「煌、また懲りずにお前か~!!!!」
「ひいいいい!!!?」
バシバシバシバシ…。
「僕の芹霞に何させるんだよ!!! 可愛い手が赤く腫れ上がってきてるじゃないか!!」
「俺のほっぺの方を心配しろよ!!?」
「お前はすぐ回復出来るからいいじゃないか、ぷっくぷくにならないし!!!
………。……。何か僕だけ…腹立つなあ…!!!」
「待て、待て!!! 何でお前が怒るよ!!? お前はもういいだろ!!?」
「良くないよ!!!」
ダンダンダンッッ
玲は玲でも…リスなんだよな…。
実物よりも怒りっぽいし、子供っぽいけれど。
煌、悪い…。
玲、悪い…。
俺、笑いたい…。

