おや……?
それは一瞬。
あたしの顔の両横に、玲くんの腕が下ろされ、真上に居る玲くんの体が沈んでくる。
何、何、何!!!?
玲くんは両肘をつき、顔1つ分の至近距離で止まった。
身体はぴったりと密着。
まだとろりとしていたお顔は至って真剣で、あたしの顔を覗き込んでくる。
妖しい色気を放つ、下膨れの王子様。
ぶわりと襲いかかる色気に鼻がむずむずしてくる。
玲くん、こんな近い距離から…
一体何の御用ですか!!!!!?
頭がパニックで、汗だけが流れ落ちる。
心臓がどくどくと早鐘を打ち続ける。
「好き……。
本当に…好きなんだ…」
この体勢で…
いきなり何を言う!!!
そんな熱っぽい目を揺らして、あたしを見ないで。
あたし…免疫ないんだってば!!!
とにかく…玲くんは、下膨れでもお色気が凄いんだから!!!
お願いだから…あたしの心臓壊さないで!!!
「信じて…」
しかし真剣なその目の輝きは。
とても苦しげなもので。
とても悲しいもので。
同時に…激しいもので。
夢のあたしに言っているのか、現実だと認識できている部分があるのか、それは判らないけれど。
縛られる。
目をそらすことができない。
「僕は君を…裏切らない。
強くなって…君を守るから。
だから――…
僕から…離れないで…。
離れていかないで…下さい…」
悲壮感漂うその顔。
掠れたような声を絞り出した玲くんに、胸がきゅううと切なく疼いた。

