「久涅が当主を動かしてるって? なあ紫堂。久涅は久遠に、紫堂よりももっと偉い処からの指示を貰って、"約束の地(カナン)"に来ているようなこと言ってたじゃないか。きっと当主が動いているのは、もっと上の…例えば元老院とか…。或いは、久涅が当主代理で命令受けていたとか…」
「元老院、ではないだろう。元老院の直接の指示であれば、0時など勿体ぶらず、久涅が来た時点で"約束の地(カナン)"は爆発させている。少なくとも、緋狭さんが来る前にな」
「だったら、あの胡散臭い男はどうだよ!? 黒幕はあいつ!!!」
「ワンコ、氷皇が企んでいるなら、ワンコゲームやクマなんて必要ないじゃん」
「……なんか小猿に言われたらムカッてくるな」
「何でだよ!!!」
騒ぐ煌に、俺は笑って言った。
「久涅は多分…黒皇だ」
「ああ、何だよ櫂。五皇だったら動きは必然…ん?」
「ああそりゃあ…紫堂より上だね、五皇なら。…ん?」
「ほら見ろワンコ。青い奴のせいじゃないだろ? …ん?」
そして暫しの沈黙。
「「「えええええええ!!!?」」」
三重奏が鳴り響く。
「「「久涅が、黒皇!!!?」」」
その時、目を細めた聖が俺を見て言った。
「櫂はん。どないな理由で?」
「確定的になったのは――
背中の…"黄の印"」
更に聖の目が細くなった。
「多分…わざと見せつけた。
屋敷で見ている俺に」
その理由までは判らないけれど。

