上げられたその顔は決意に満ちていて。
「だけど小猿…お前1人だったら…」
「俺、人を頼り過ぎるのを何とかしたいんだ。別にワンコや紫堂櫂に頼りたくないっていうわけじゃない。俺…頼られるような強さが欲しいんだ。足を引っ張るんじゃなく」
俺も煌も何も言えずに…顔を見合わせた。
「それにさ。紫堂櫂とワンコの最強の組み合わせなら、きっと早くCLEAR出来る。俺1人は時間がかかって…CLEAR出来ずにもたもたしているだろうけれど、そっちが終わったら…助けてくれよ。
だからせめでそれまででも、俺、1人で頑張り、あがいてみたい。
先刻だって…力の限界が伸びたのなら、絶対何か成長出来るはずだと思うから。だから頼む。俺1人で進ませてくれ」
気持ちは痛いくらい判った。
足手纏いになりたくない。
強くなりたい。
成長したい。
それは…俺が今まで望んできたものと同じだから。
俺は大きな溜息をついて、翠の頭を撫でた。
「判った。俺達が行くまで…耐えてろよ?」
そう笑うと、
「もしかして…俺がそっちに加勢に行くことになるかもしれないけどな」
にかっと翠は笑う。
「おいおい、櫂…」
「煌。今…翠の頑張ろうという心を潰したくない。だから出来るだけ早くケリつけて、翠の処に加勢に行く」
「気持ちは判るけど、現実問題…」
「"過保護"が翠の成長を妨げている。翠は独り立ちしようとしているのなら、俺達は翠の力を信じよう。それが最良の策だ。出来ないと決めつけるな。翠はやる。そう信じろ。いいな?」
有無を言わせぬ俺の迫力に、煌は片眉を動かし…そしてがしがしと頭を掻いた。
「判った。頑張れよ、小猿」
「うん、頑張る!!」
未知なるものに飛び込み、1人で戦う決心をするのは並大抵のことではない。
それを決意し実行しようとした翠を、俺は高く評価したいと思う。
「じゃあ翠、お前が選べ。お前はどちらの道を選びたい?」
翠は2つの立て札を交互に見比べ、やがて1つの方を指指した。
「右。『○○を禁ず』」

