「「やっ…た…うおおお、
また音が~ッッッ!!!」」
ハイタッチで喜びあっていた2人が、また両耳を押さえて…向い側で蹲った。
「どうした!!? 煌、翠!!!?」
そう声をかけた時。
俺の枷から…全ての重みが引き、パリンと2つに割れた。
それは俺だけではなく。
そして煌と翠の枷が壊れたと同時に、2人は耳から手を離して深呼吸をしていた。
"輝くトラペゾヘドロン"の枷を破壊する"周波数"とやらが、流れたのだろうか。
俺にはさっぱり聞き取れないけれど、この2人が耳を押さえていたならばきっとそうなんだろう。
周波数という…特殊な音により変形し壊れることが出来るというのなら。
是非ともそれを手に入れたい。
黒い塔を…破壊させる切り札にしたい。
これは…情報屋やクマに聞いてみようか。
そうぼんやりと思っていたら、煌と翠がしゃがんで…煌の割れた首枷についている鎖を触っていた。
煌との鎖も切れてしまい、何となく寂しい思いをしたのは俺だけではないだろう。
「ワンコ、また散歩させてくれよ~」
「小猿。今度は小猿を散歩させてくれよ」
「「じゃあ一緒に散歩しようか」」
………。
あえて何も言うまい。
石畳の空間のど真ん中に、下からせり上がってきたのは円卓で。
封筒と青い…手の平大の丸いボタンがあった。
俺は封筒を手に取り、ボタンを叩き付けた。
「よし、じゃあ急いで帰るぞ。ニノ、経過時間は!!?」
『お答えします。32分です』
「2分オーバーか。本当に時間がやばいな。走って…って、煌、お前何やってんだよ!!?」
煌の肩には、1体の芹霞の人形が担がれていたんだ。
「櫂。ちょっと見ろよこの芹霞…小猿が見つけたんだけどよ」
"ボケ女"
芹霞に同情したいが…何か共鳴できる、顔に張られた紙の文字。
そんな芹霞もどきの人形の頭には、白いふさふさの…
「ネコ耳…しかも尻にもよ…尻尾!!
俺絶対これ貰っていく」
それはもう満面の笑み。
………。

