シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



「「やっ…た…うおおお、

また音が~ッッッ!!!」」


ハイタッチで喜びあっていた2人が、また両耳を押さえて…向い側で蹲った。


「どうした!!? 煌、翠!!!?」


そう声をかけた時。


俺の枷から…全ての重みが引き、パリンと2つに割れた。


それは俺だけではなく。


そして煌と翠の枷が壊れたと同時に、2人は耳から手を離して深呼吸をしていた。


"輝くトラペゾヘドロン"の枷を破壊する"周波数"とやらが、流れたのだろうか。


俺にはさっぱり聞き取れないけれど、この2人が耳を押さえていたならばきっとそうなんだろう。


周波数という…特殊な音により変形し壊れることが出来るというのなら。

是非ともそれを手に入れたい。


黒い塔を…破壊させる切り札にしたい。

これは…情報屋やクマに聞いてみようか。


そうぼんやりと思っていたら、煌と翠がしゃがんで…煌の割れた首枷についている鎖を触っていた。


煌との鎖も切れてしまい、何となく寂しい思いをしたのは俺だけではないだろう。


「ワンコ、また散歩させてくれよ~」

「小猿。今度は小猿を散歩させてくれよ」


「「じゃあ一緒に散歩しようか」」



………。

あえて何も言うまい。




石畳の空間のど真ん中に、下からせり上がってきたのは円卓で。


封筒と青い…手の平大の丸いボタンがあった。

俺は封筒を手に取り、ボタンを叩き付けた。



「よし、じゃあ急いで帰るぞ。ニノ、経過時間は!!?」


『お答えします。32分です』


「2分オーバーか。本当に時間がやばいな。走って…って、煌、お前何やってんだよ!!?」


煌の肩には、1体の芹霞の人形が担がれていたんだ。


「櫂。ちょっと見ろよこの芹霞…小猿が見つけたんだけどよ」


"ボケ女"


芹霞に同情したいが…何か共鳴できる、顔に張られた紙の文字。


そんな芹霞もどきの人形の頭には、白いふさふさの…


「ネコ耳…しかも尻にもよ…尻尾!! 

俺絶対これ貰っていく」


それはもう満面の笑み。


………。