考えて見れば…翠の力が有効であるのなら、彼の力程、制限尽くしのこのゲームに適したものはないかもしれない。
制限された中、ルールとは無関係に、唯一自由に動けるのは翠だけだ。
首飾りの奪取だけではなく、移動する場所が無くなれば、念力で浮かぶ該当色の風船などを引き寄せたり出来る。
手が届かない場所には…距離は限定されるが瞬間的に移動出来る。
そして地面に色がない場合は、浮いていられる。
今、翠はそれをやりのけ、限界の幅を広げている。
この場の変化に流されない稀有な存在は翠だけというのなら、翠はこちらの強みとなる。
それに気づくのが…遅すぎたな。
『櫂様、残り時間あと2分です。首飾りはあと、38個です』
そんなニノの声を聞きながら、俺達は首飾りを奪っていく。
そして俺達の負荷を抱えても尚動ける煌。
煌もまた、鎖の使い方が判ってきたみたいで、時に宙に留まれず落ちそうになる翠を鎖を跳ね上げてやることもある。
攻撃を食らいそうになれば、鎖ごと動かし…俺や翠に向けられた緋狭さんもどきの攻撃を避けてくれている。
『櫂様、残り時間あと30秒です。首飾りはあと、9個です』
そしてその逆もまた然り。
気づけば、誰もが歌を歌っているくらいの余裕で、
『設定時間、終了。
そして――
首飾り410個、無事取り終えました。
おめでとうございます』
そんなニノの言葉により、
ピッピッピーッッ!!!
連続的なホイッスルが鳴り響き、
『YOUR WIN!!』
胡散臭い声が高らかに響いた。

