「よし、タイミングは判ってきたな? 実際音楽に乗ろう」
音楽の早さを調整し、4拍子分を早めの2秒設定。
色に触れるのは2秒。
宙に4秒間いないといけない時はあるけれど、曲の良いタイミングで玲のピアノが合図のように入ってくれるから、それを目安に…跳躍が時間切れしそうな時は、誰かを踏み台にして、更に飛び上がればいい。
声だ。
かけ声。
目は色を追うのなら。
耳で俺達は互いを支え合う。
移動方向が皆と違うのであればそれを口にして、誰かが軌道修正の手を差し向ければいい。
自分だけの戦いではない。
3人いれば…3人故の利点を利用すればいい。
そうして体で、他2人の"感覚"を覚えていけばいい。
頭で理解するのではなく、体で反応すればいいんだ。
最初は音楽と合わずにホイッスルが鳴ったけれど、順序よく音楽に乗れれば…またリズムが生まれ始める。
翠は自信を取り戻してきたようだ。
翠は…一度不安に駆られるとパニックになってしまうタイプらしい。
落ち着きを戻せば、卓越した運動神経と反射神経で…言われたことをきちんとこなせるだけの身体能力を発揮する。
全ては…経験不足からくる自信のなさだけだ。
やる気を起こさせて、きちんと覚えさせれば期待に応えられる奴だということは間違いないだろう。
移動が出来るようになれば、次は首飾りだ。
首飾りは間違った色のものを取らぬ限りは、色に触っていない…宙にいる者でもとることは可能だ。
1人ならば…足で色を踏み、手で首飾りを奪い取っていたのだから…3人が1つとみなされることになっても、理屈的には同じ。
人形がいる場所は、地面とは限らず。
屋根に寝そべっている人形(多分司狼か久遠)、木登りをしている人形(多分旭か司狼)など様々な形態があり、首飾りを取ればその人形はいなくなり…そして何処かに別の人形が現われ、首飾りは補充される仕組みになっている。
宙に飛んでいる俺達でも、十分首飾りを奪うことは可能だ。
しかし鎖に繋がれている以上、首飾りを取る場所は…色を触った者周辺となるから、該当色の首飾りが無い場合もある。
しかし――
「はあはあ…上手く行った…」
翠が、宙から念力の力を出して…離れた人形の首飾りをとることに成功した。
ホイッスルは鳴らない。
だから待機中の緋狭さんもどきは業を煮やしている。
苛立った様子が見える。

