シンデレラに玻璃の星冠をⅢ


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副団長や玲くんが来るまで、占星術(ホロスコープ)診断図作りを続行しようと、三人顔を合わせていたんだけれど、書いた紙の上にわざわざ居座ったクオンが、やけにニャアニャア煩く邪魔をして、作業は一時中断することになった。


「クオン、ほらこっちおいで~。ぱたぱた…」


由香ちゃんはクオンを構い始めた。


ティッシュで即席の猫じゃらしを作り、クオンの機嫌をとるように遊んでいるけれど。


この"渋々遊んでやっている"という猫顔と、冷ややかな瑠璃色の瞳は、如何なものか。

何だか…本当に楽しそうな由香ちゃんの方が、クオンに遊ばれている気がする。


そしてクオンが大欠伸を連発して、今度はのっそりとあたしの方に戻ってくると、紅紫色の瞳と目が合った途端にぴょんと飛び跳ねて、斜め後ろからあたしの首元に巻き付き、また…襟巻きのように体を丸めて…ぶら下がったまま寝てしまった。


ぽかぽかでふさふさで、気持ちはいいけれど。

重い。


「猫って首、好きだったっけ?」


あまり聞いたことはないけれど。

しかし首から落ちずに眠るとは、何と器用な猫だ。

あたしは今まで、大きいワンコに自分からしか抱きついたことがなくて、猫に抱きつかれたのは初めてのこと、扱い方がよく判らない。

興味の方が怯えに勝ってしまえば、猫という生き物が不思議で仕方がない。

猫の胴体って何処まで伸びるんだろう。

気になったらとことん気になってくる。

試しに片方ずつの手で、クオンの上半身と下半身を伸ばしてみたら、フギーッッと毛を逆立てたクオンに怒られ手をひっかかれた。

痛い…。


「クオンがそこにいるのはさ、多分…神崎の首をガードしているんだと思うよ」


由香ちゃんはむふふふと笑う。


「何で? 病原菌から?」

「まあ…ある意味、病原菌だね」


由香ちゃんは三日月目だ。