「え、クオンがいいの?」
逆に驚いて猫に尋ねれば。
「ニャア」
偶然か?
「タマ?」「………」
返事しない。
「クオン?」「ニャア」
「フサ?」「………」
「フク?」「………」
「ミミ?」
ぷいと横を向いてしまった。
「クオン?」「ニャア」
「ハナ?」「………」
「クオン?」「ニャア」
「芹霞ちゃん可愛い」「………」
「芹霞ちゃん馬鹿」「ニャアニャア」
ダブルだ。
「ナナ?」「………」
「ミチ?」「………」
「クオン?」「ニャア」
認識…しているらしい。
「ええと…クオンがいいの?」
「ニャア」
「クオンになったら、やる気がなくなるよ?」
「ニャア」
いいらしいが、何か睨まれた気がする。
「じゃあ…クオンにする?」
「ニャア」
そう満足気に鳴いて…今度はあたしの頬に、顔を寄せてすりすりしてきた。
叩いた部分をペロペロしてきた。
何で突然友好的?
何だこの気まぐれ猫は。
そう思うけれど。
ゴロゴロゴロ…。
喉元を撫でて上げると…実に気持ちよさそうに懐いてくるこのクオンに、何だか愛着が湧いてきたのも事実だった。

