「――まさか!!!?
久遠が死んで猫に生まれ変わったとか!!!?」
1つの可能性に声を荒げれば。
「生まれ変わるの早ッッ!!!」
由香ちゃんの突っ込みと共に、
上から何かが落っこちてきた。
間一髪、桜ちゃんが糸でそれを弾いてくれたけれど。
「花瓶……」
頭に落ちたら、たんこぶ出来そうな…硝子の花瓶。
「ニャア」
猫が箪笥の上から落としたらしい。
わざわざ鳴いて教えたのは、
完全にあたしを格下に見てるんだ。
むか~~ッッッ!!!
「なんか…あんた腹立つわね~。ちょっと活躍したからっていい気になってないッッ!!!? 降りて来なさいよ!!! 聞こえてるの!!? 何ただの猫みたいに、ゆったりくつろいでるのよ!!! そこで寝ないの!!! 何欠伸してるのよ!!! そんな暇があるのなら、あたしの朝食返しなさいよ!!!」
「神崎…結構無茶な注文をしてるね、ニャンコに。
あ、それから…久遠はちゃんと生きているから大丈夫」
「当然でしょ!!? 久遠が死ぬわけないし!!! あたし絶対久遠と生きて会うんだから」
「久遠を勝手に生まれ変わらせたくせに…(ぼそっ)」
由香ちゃんが何か言ったけれど、あたしの耳には届いていなかった。
5日後に会うと約束して、あたしはあの場に久遠を放置してこの家に来た。
あたし、久遠との約束は何があっても…死守する気だし、あんな表情をしていた久遠なら、絶対守ってくれているはずだ。
5日まで待たないよ。
5日経たずに行くからね!!
「あの久遠もどきのニャンコ、どうしようか?」
「追い出し決定よ!!! しっしっ!!! あっち行きなさいッッ!!! 朝食奪った罪は重いんだから!!! このあたしをみくびり、怒らせた罰…むごっ!!!」
猫が…またあたしの顔の上に着地。
「気に入られているねえ、神崎。
やっぱりそれは久遠じゃないのか?」
「久遠が生きているなら、猫になるはずないでしょう!!? ほら、タマ!!! どきなさいッッ!!!」
「タ、タマ…?」
「猫ならタマでしょ…って、尾でペシペシするでないわッッ!!!」
「嫌なんじゃないか、タマっていう名前が」
由香ちゃんがそう言うと、猫はニャアと鳴いた。
「そうらしいぞ?」
由香ちゃんは笑うけれど。
「名前つけて上げたのに気に入らないなんて、何様よ!!? それに!!! 人間語を理解出来るなら、あたしの言うことも判るでしょうよ。
ほら、じゃあミーチャ…うっ、だからパシパシするなって!! ノラ!! シロ!! フサ!!」
今度は猫パンチだ。
これ…結構痛いのに。
容赦ない。
「ああじゃもう…クオンッッ!!!」
そう苦し紛れに叫ぶと。
ぴたり。
猫の攻撃は止んだ。

