その上――
なんでそんなにつんとした顔よ!!!?
してやったり、といった表情にも見えるのは何故!!!?
「この…泥棒猫ッッッ!!!!」
怒ったあたしが捕まえてやろうと追いかけ回したら、高い箪笥の上にひらりと飛び乗り、あたしより高い位置から見下ろして。
「ニャア」
可愛い声なんだけれど。
可愛い姿の猫なんだけれど。
やっぱり…どう聞いてもどう見ても。
馬鹿にしたようにしか思えない顔と、声音で鳴いた。
「なあ…あの猫」
由香ちゃんが白猫を指差して。
「ふさふさ白毛のダークブルーの瞳だと思っていたんだけれどさ、暗い処…更に神崎が接している時は特に…赤く光っている気がするんだけれど」
そう…顔を引き攣らせながら言った。
こちらを見ている白猫。
白いふさふさの美猫の瞳は…
確かに赤く見える。
真紅というよりは…
紫がかっている、紅紫色。
「何だかさ…ボク…
"彼"を思い出すんだけれど。
――久遠」
久遠?
「目の色だけじゃなくてさ、気位の高さとか…神崎だけに構うのとか、何処吹く風の我侭な"ニャンコ様"って言う感じが。
見た目もさ、凄い美猫じゃないか。人間界でさえ目立つような美形ニャンコなんだから、絶対ニャンコ界ではモテモテだろうし。だけどそんなことどうでもよさそうな雰囲気だし」
確かに…久遠だと思って見れば、久遠のようにも思えるけれど。
この理不尽な気まぐれさも、猫特有というより…久遠特有と思えないこともないけれど。
だけど久遠は人間を超えた天使であっても、猫ではないし。
猫なんかと一緒にしたら、久遠様に怒られてしまいそうだし。
――せりッッ!!! オレを馬鹿にするなッッ!!
しまいそうというより…絶対怒られるに違いない。
久遠に…。
久遠…。
………。
………。
生きてるよね!!!?

