シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



その上――

なんでそんなにつんとした顔よ!!!?


してやったり、といった表情にも見えるのは何故!!!?


「この…泥棒猫ッッッ!!!!」


怒ったあたしが捕まえてやろうと追いかけ回したら、高い箪笥の上にひらりと飛び乗り、あたしより高い位置から見下ろして。


「ニャア」


可愛い声なんだけれど。

可愛い姿の猫なんだけれど。


やっぱり…どう聞いてもどう見ても。

馬鹿にしたようにしか思えない顔と、声音で鳴いた。


「なあ…あの猫」


由香ちゃんが白猫を指差して。


「ふさふさ白毛のダークブルーの瞳だと思っていたんだけれどさ、暗い処…更に神崎が接している時は特に…赤く光っている気がするんだけれど」


そう…顔を引き攣らせながら言った。


こちらを見ている白猫。


白いふさふさの美猫の瞳は…

確かに赤く見える。


真紅というよりは…

紫がかっている、紅紫色。


「何だかさ…ボク…


"彼"を思い出すんだけれど。


――久遠」



久遠?


「目の色だけじゃなくてさ、気位の高さとか…神崎だけに構うのとか、何処吹く風の我侭な"ニャンコ様"って言う感じが。

見た目もさ、凄い美猫じゃないか。人間界でさえ目立つような美形ニャンコなんだから、絶対ニャンコ界ではモテモテだろうし。だけどそんなことどうでもよさそうな雰囲気だし」



確かに…久遠だと思って見れば、久遠のようにも思えるけれど。

この理不尽な気まぐれさも、猫特有というより…久遠特有と思えないこともないけれど。


だけど久遠は人間を超えた天使であっても、猫ではないし。

猫なんかと一緒にしたら、久遠様に怒られてしまいそうだし。


――せりッッ!!! オレを馬鹿にするなッッ!!


しまいそうというより…絶対怒られるに違いない。


久遠に…。

久遠…。


………。

………。

生きてるよね!!!?