シンデレラに玻璃の星冠をⅢ


そして――20分後。

まだ玲様は戻られない。


あれから、特別におかしい気配はしない。

しないが、依然大きいままの当主の気配が、玲様の気を掴み難くさせていることが気になる。


玲様は…大丈夫だろうか。

様子を見たいけれど、芹霞さん達を残していくことも出来ない。

2人を任された私は、勝手に任務放棄が出来ないのが、もどかしく感じて仕方が無い。


「なに…必要なのは、"生年月日"と"出生時刻"と"出生地"の緯度経度…ん、これは蒼生ちゃんの表にある奴かな。で、まず…出生時刻を、24時間制にします…んん。これはあたしでも出来る。よし、この紙に…」


カキカキカキ…。

遠坂由香がiPhoneにて見つけてきた占星術(ホロスコープ)作成方法に従い、レグの手記が書かれた紙の裏に芹霞さんが書いていく。

こういう時、iPhoneが多くあれば、作成参照サイトを表示しておけるから便利だ。

まさか、そこまで氷皇が見越していた…わけではないだろう。

そこまで親切なはずがない。


「で、次は"出生恒星時"を出します。…出生恒星時? "貴方の誕生日に牡羊座の0度が南中する時刻を示した表です"。さっぱり意味判らないけど…そういうものがあるみたいだね。あれ? このサイトには表がない???」


「神崎…"恒星時表を用意して下さい"ってある。このサイトは独自に用意しないといけないんだよ。調べると言ってもさ、今更手書き作成は古すぎて、恒星時表なんて掲載してないぞ? あ、これなら…これは本の広告だ。中身が見れない」

「由香さん…氷皇からのデータにはなかったんですか?」


「なかったよ、そんなもの。だけど…必然の氷皇が用意していないというのも変だよな。念の為、ダウンロード先が書かれていたメール、もう1回見てみるか? ええと…よしこれだ」


皆でその画面を覗き込む。


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→DL5はここ
→DL6はここ


(※アドはひ・み・つ☆)

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「ないね、特には」

「ちょっと待って下さい。もっと下…あります」


私の声に驚きながら、遠坂由香が指で画面をスクロールさせる。



すると――


下に。

下に。



ずっとずっと…



下に。



遙か下方に…

小さな小さなリンクボタンがあった。


小さくて何が書かれているか判らず、遠坂由香が何度も指で画面を拡大して、出て来たのは文字リンク。





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 えっち(*´ェ`*)

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