シンデレラに玻璃の星冠をⅢ


「俺、首飾りとったよ~!!! 頑張るッッ!!」

「小猿は芹霞んトコ行かなくていいんだよ、お前は芹霞以外だッッ!!!」

「えええ!!!?」

「桜んトコ行けよ!!」

「え~俺、触るの…恥ずかしいよ…。俺…純情だし」

もじもじ小猿は、羞恥に顔を赤く染めた。

「じゃあ俺は純情じゃねーって言いたいのか!!?」

「ち、違うよ。は、葉山は清純だから簡単に触れられない…」

「だったら芹霞は清純じゃねえっつーのか!!? いいか、芹霞はな!! 処「煌、黙れ」

「あい」


俺が衝動的に口走ろうとした単語を、改めて思い返せば、もう顔が熱くてたまらねえ。

くっそ~。


そんな会話を繰り返しながらも、俺達の身体は動いている。

俺達は同じ曲を同じリズムを分かちあい、一心同体となり…着実に首飾りをとっていく。


考えるより先に、体が動く。


胡散臭いアナウンスが色を変えても、例えミスって緋狭姉が攻撃してきても。

それ以上を…他がカバーしてくれる。


リズム…リズムか。


音に慣れた身体は、ここまで自在に動くものなのか。

頭で考えた動きというものは、ここまで動き難いものだったのか。


体が動く。

気持ち悪いほど…軽やかだ。


「逃げることに思考を通すな。目で見た情報を即座に身体に伝えろ。あとは自分の体の動きを信じろ」


順調に首飾りは取れていく。

同時にオニ緋狭姉の速度が上がり、冷や汗かいた場面もあったけれど。


「ニノ!!! テンポ上げてくれ!!!」


櫂が調節してくれるから。


リズムを狂わせるような攻撃回数も上がり、俺達のリズムに綻びが入ることもあるけれど。



「煌、鎖ッッ!!!」


櫂が背後に来て、鎖を跳ね上げてくれる。


俺達自身の色は無効、だから鎖と接触可能ということは、櫂がニノから聞き出した。

ニノは、言われないと教えてくれねえ。

櫂の思い付きがなければ、俺は苦労していたかも。


「おう、櫂さんきゅ」


俺は1人じゃねえ。

すごくそれが心強い。


それは甘えのような逃げではなく、俺には戦う力になるんだ。

後ろが居れば、全力で前に進める気になる。

そして櫂の後ろを全力で守る力が漲(みなぎ)ってくる気がするんだ。