「煌、そっちに緋狭さんが行った!!!」
「は!!? あ!!!? うわわわわ!!!?」
突如宙に現われた緋狭さんは、煌と翠に向けて、無くしたはずの利き腕にて手刀を突きだして。
その速度に空気が裂かれたのが、俺にまで感じた。
「やべえな。また10秒定義(ルール)にひっかかる。小猿、シロを踏めよ!!! 最低2つ見つけて、行ったり来たりしてろ!!!」
そう翠を宙から落とした時、また緋狭さんの手刀が…更に速度を増して、煌の目の前でぐんと伸びた。
「煌!!!!?」
ガシイッ!!!
煌は間一髪、腕でそれを弾いた。
それは条件反射的な…組み手の一環のようなものだったけれど。
ピーッッ!!!
「煌、緋狭さんに触れては駄目だ!!!」
「ああ、そうだった!!! やべ!!!」
「レベル…アップ」
にやりと…宙で緋狭さんが笑った気がした。
実際はオニの紙面で表情は判らないのだけれど。
更に緋狭さんの速度が上がり、今度は足も使った攻撃を煌は食らうことになる。
「あ、ちょっ…なッッ!!! ひ、緋狭…うわッッ!!!」
「煌、一先ず地上に降りて白を踏め!!! お前も10秒定義(ルール)に…」
「ま、待て…行け…うわッッ!!? くそッッ!!! 動け…」
ピーッッ!!
またホイッスル。
10秒定義(ルール)だ。
「攻撃、更に1追加…」
そして今度は俺の前に、緋狭さんは現われたんだ。
「ええええ!!!? 緋狭姉、此処にいるのに!!!?」
つまり…もう1人、緋狭さんもどきが増えた。
俺がそれまでに取れた首飾りは、20個余り。
クリアするにはあと390。
邪魔する攻撃程度は凄まじくなるばかりで、気が遠くなる話のように思えてきた。
やばい。
本当にやばい。
こんなの…15分で終われない。
1時間でも…出来るのだろうか。
「ニノ、経過時間!!!」
『お答えします。7分です、櫂様』
半分の時間で…まだ20個…。

