シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



「…悪徳中の悪徳業者の誘導だね」

「どうしてこんな苛立つ方法なんだろうね」


女の子2人はお怒りの様子。


「師匠どうする? 明らかに胡散臭い匂いぷんぷんのリンクボタン、押してみる?」


どうでもいいけれど。

別に見たくもないどうでもいいものだけれど。


だけど――。


「ダウンロード…しよ?」


仕方が無い。

これも櫂と煌の名誉の為。


そして。

由香ちゃんが"DL1"リンクボタンを押して、出て来たのは――


「これ…なあに?」

「うーん、占星術(ホロスコープ)って奴じゃないか?」


12等分された円の画像。

その中に散らばるのは、複数の惑星の記号。


かつて桜華で、あの忌まわしき使い魔が…一縷のブログだという"CARCOSA(カルコサ)"というサイトを開いて見せたものと似ている。


間違いない。

これは占星術(ホロスコープ)の占術盤だ。


「1リンクボタン1画像みたいだね。背景の色が違うし、記号の配置が若干違うような…。背景が5色なのは…五皇のこととか?」

「あれ…青がないよ、由香ちゃん。代わりに黄色だ」

「前五皇のものでしょうか? あ、玲様…円の中に、"ドラゴンヘッド"があります」


桜が指さしたのは、この占星術(ホロスコープ)でいう最後の12分割…12宮。


「あれ??? あれれれ??? 全員、同じような位置にドラゴンヘッドがあるね??? それに重なるように…似たようなのもあるけど…」


芹霞が首を傾げて。


「ドラゴンヘッドを上下反転した形…? 玲様ご存じですか?」


「ドラゴンヘッド(龍頭)と対になるものなら、ドラゴンテイル(龍尾)だろうけれど…。此の記号だけは、大体皆同じ配置だね」


「これを見て、何をしろと? 何処がご褒美?」


また芹霞が首を傾げた。


「玲くん、読める?」

「解読は無理」


僕は肩を竦めた。


「だったら…全然意味が判らないね。それに…五皇の占い結果知って何だというんだろう」

「隠していた秘密とかも出てるんじゃないか? 占いなんだし。け~ど、勝手に個人情報漏洩していいのかね、氷皇」

「読める人がいないから、安心してるんじゃない?」


その時桜がぼそりと言った。


「紫茉さんなら解読出来るかも…」


「え? 紫茉ちゃん!!?」


どうして芹霞は――

紫茉ちゃんの話題になれば、こんなに目がきらきら輝くんだろう。


恋する乙女のような顔。

僕が芹霞に望んでいた"理想型"に限りなく近い。


………。


ああくそっ…。

妬いてしまうじゃないか。


芹霞と紫茉ちゃんは同性なのに。