「…悪徳中の悪徳業者の誘導だね」
「どうしてこんな苛立つ方法なんだろうね」
女の子2人はお怒りの様子。
「師匠どうする? 明らかに胡散臭い匂いぷんぷんのリンクボタン、押してみる?」
どうでもいいけれど。
別に見たくもないどうでもいいものだけれど。
だけど――。
「ダウンロード…しよ?」
仕方が無い。
これも櫂と煌の名誉の為。
そして。
由香ちゃんが"DL1"リンクボタンを押して、出て来たのは――
「これ…なあに?」
「うーん、占星術(ホロスコープ)って奴じゃないか?」
12等分された円の画像。
その中に散らばるのは、複数の惑星の記号。
かつて桜華で、あの忌まわしき使い魔が…一縷のブログだという"CARCOSA(カルコサ)"というサイトを開いて見せたものと似ている。
間違いない。
これは占星術(ホロスコープ)の占術盤だ。
「1リンクボタン1画像みたいだね。背景の色が違うし、記号の配置が若干違うような…。背景が5色なのは…五皇のこととか?」
「あれ…青がないよ、由香ちゃん。代わりに黄色だ」
「前五皇のものでしょうか? あ、玲様…円の中に、"ドラゴンヘッド"があります」
桜が指さしたのは、この占星術(ホロスコープ)でいう最後の12分割…12宮。
「あれ??? あれれれ??? 全員、同じような位置にドラゴンヘッドがあるね??? それに重なるように…似たようなのもあるけど…」
芹霞が首を傾げて。
「ドラゴンヘッドを上下反転した形…? 玲様ご存じですか?」
「ドラゴンヘッド(龍頭)と対になるものなら、ドラゴンテイル(龍尾)だろうけれど…。此の記号だけは、大体皆同じ配置だね」
「これを見て、何をしろと? 何処がご褒美?」
また芹霞が首を傾げた。
「玲くん、読める?」
「解読は無理」
僕は肩を竦めた。
「だったら…全然意味が判らないね。それに…五皇の占い結果知って何だというんだろう」
「隠していた秘密とかも出てるんじゃないか? 占いなんだし。け~ど、勝手に個人情報漏洩していいのかね、氷皇」
「読める人がいないから、安心してるんじゃない?」
その時桜がぼそりと言った。
「紫茉さんなら解読出来るかも…」
「え? 紫茉ちゃん!!?」
どうして芹霞は――
紫茉ちゃんの話題になれば、こんなに目がきらきら輝くんだろう。
恋する乙女のような顔。
僕が芹霞に望んでいた"理想型"に限りなく近い。
………。
ああくそっ…。
妬いてしまうじゃないか。
芹霞と紫茉ちゃんは同性なのに。

