シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



そしてあの手紙…。

既に脅し文句が用意されていたということは…。


氷皇自身が当初用意していた"動画"というものも、やはり腐ったものであるから、僕達の脅しとなり得たのではないだろうか。


恐らくは――

僕の見知る男性陣のうちの誰か2人が、腐った動画としておかしな加工をされていたのだろう。


そして――

その内の1人は、高い確率で僕だ。


結局僕は脅されて、慌てて手紙を見る羽目になる。


僕が手紙を見る運命は何も変わらない。


ああ、何だか…。


学習しているはずの僕の行動は、全て胡散臭い男の予想範疇内で、例えもがいてあがいて逃れようと、どこをどう転んでも…青い謀略に包囲されたまま、結局は青い男の思い通りに回っていることが凄く口惜しい。



「ねえ…例えばさ、"ちょっと電波届かないトコロに居て、メール見てなかった、あは☆"とか使えないかな」

芹霞の声に僕は、

「甘いと思うよ、芹霞。そんなこと氷皇なら見抜いて…あ、またメール? そこまで急かされているのか?」



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差出人<aoao@ares_ioa.com>
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宛先<hihi@teraikemen.net>
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そういえば
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GPSは有効だからね☆

iPhone電波悪くても、
この機能はばっちり。

何処に居てもアオは
おそばに☆

安心してね~

♪d(´▽`)b♪

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「………。ね、芹霞」

「この顔文字、ムカツク…」



画面を見ていた由香ちゃんが、軽く声を上げた。


「GPSを無効にしようと設定画面開いたんだけど、殆どがこっちから弄れないようになってる!! 音声ガイドsiriの処なんて、hisiriになってるし!!」


結構…手の込んだ改造らしい。

僕がよくするように、ハード内部の部品から変えているのかもしれない。


改造とは…意図があってするもので、このiPhoneは、ただ僕達の抵抗を封じさせるものなのか、別の意味合いをもつものか…まだ判らないけれど。


仕掛けは多々あるんだろうと思う。

そして僕がそれを見たら、好奇心で色々調べるだろうこと…氷皇は見越していると思うんだ。


ならば何も調べず、何も弄らない方が得策だ。

好奇心で知ってしまったが為に後悔することもある。

そのパターンを踏みそうな気が、ひしひしとするんだ。